岩隈久志は、なぜメジャーに適応できたか

日本式からアメリカ式への適応

メジャー2年目の昨年、抜群の安定感で14勝を挙げた岩隈。環境への高い適応能力がもたらした好成績だ(写真:AP/アフロ

春が到来し、4月から新天地で新たなメンバーと仕事をスタートさせる人も多いだろう。自身を取り巻く環境が変わった場合、どうすれば成功を収めることができるのだろうか。そのヒントを教えてくれるプロ野球選手が、昨季、メジャーリーグの最高投手に与えられるサイヤング賞でマックス・シャーザー(デトロイト・タイガース)、ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)に次ぐ3位に選出された岩隈久志(シアトル・マリナーズ)だ。

不安を感じたメジャー移籍直後

「僕は、ほとんどメジャー流になっています」

今オフ、「Sportsnavi」の取材で岩隈に話を聞くと、自らの変貌ぶりを語り出した。

2012年、楽天イーグルスからマリナーズに新天地を求めた岩隈がまず行ったのは、素直に負けを受け入れることだった。

メジャー1年目は、日本時代の先発とは異なる中継ぎの役割を与えられた。ブルペンに配置された理由は、チームトレーナーが「右肩周辺の筋肉が(ほかのメジャー選手に比べて)弱く、先発での中4日は難しいと判断した」(2012年10月4日、nikkansports.comの記事より)からだ。実に消極的な理由で、日本きっての先発投手だった岩隈の心中は察するに余りある。

ところが4月20日のシカゴ・ホワイトソックスでメジャーデビューを飾ると、厳しい現実に直面した。この一戦からリリーフ登板した4試合で、3本の本塁打を打たれたのだ。日本で2度の最多勝に輝いた右腕は、「本当に自分はメジャーでやっていけるのだろうか?」と不安に陥ったという。

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