東洋経済オンラインとは
ライフ #野球界に見る 凡才がトップに登り詰める方法

岩隈久志は、なぜメジャーに適応できたか 日本式からアメリカ式への適応

7分で読める
2/4 PAGES

先発の座を勝ち取るために考えたこと

苦境を打破すべく、岩隈はまず、相手打者の優位を認めた。

「メジャーのバッターは力がすごいので、パワー対パワーでは勝てません。だから、コントロールで勝負することも必要になる。でも、パワーだけを持ち味とするのではなく、対応力のある選手もいます。そうしたバッターと対戦していきながら、メジャーリーグはいろんな経験を積めるところだと感じるようになりました」

多彩な球種を持つ岩隈は、その使い方を日本時代と変えている。顕著なのは、ツーシームを多投するようになった点だ。右打者には内角を攻めるだけでなく、アウトコースのボールゾーンからストライクに変化させて、カウントを稼ぐこともある。これは、日本では見られなかったツーシームの用法だ。

さらに、配球を深く考えるようになった。恐怖心がもたらせた恩恵だった。

「フォーシームだけを投げていくのは怖い、と感じるようになりました。どれだけいいボールを投げていても、バッターとの対戦が3巡目くらいになると、どの球にも対応してきますから。フォーシームに限らず、いろんな球種をいろんなふうに混ぜながら、という考えになりましたね。たとえばカーブをうまく使うことで、フォーシームが生きたりするので。そういうのは、いろいろ経験した中で覚えていった感覚です」

壁にぶつかったことで、岩隈は投手としての幅が広がった。メジャー1年目の2012年前半にリリーフとしてアピールすると、同シーズン後半戦から先発の座を勝ち取る。16試合で8勝4敗の好成績を残した。

翌年は開幕から先発ローテーションの一角に入り、33試合で14勝6敗、防御率2.66と抜群の安定感を見せた。高いパフォーマンスを発揮することができたのは、心理的な余裕が大きかった。

「相手の特徴がわかってきて、自分の投げるボールをコントロールしながら、バッターに考えさせるようなピッチングができました。たとえばフォークを落とした後に高めのフォーシームを投げて、反応を見ながらうまく攻めていく。その後はフォークだけでなく、カーブを投げたり、ストレートを混ぜたり。2013年はそうした余裕が出て来た1年でした」

次ページが続きます:
【真逆の発想】

3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象