中村紀洋が、40歳で到達した「仕事観」

楽しいだけで仕事はできない

つねにフルスイングを心掛け、ホームランを量産してきた中村紀洋(写真:築田純/アフロスポーツ)

仕事は“楽しい”だけではない

 新年度を迎えたが、幸先のいいスタートを切った者ばかりではないだろう。中には希望とは異なる部署に異動させられ、今いちモチベーションの上がらないビジネスマンもいるはずだ。特に、自分の好きなことを仕事にしている人や、情熱的に働いてきた人の場合、そういったワナに陥りやすいかもしれない。そんな状況にある者は、どうやって軌道修正していけばいいのだろうか。

「昔は野球をしていて、楽しかったなと思いますね。今は、仕事になっている」

そう語るのは、プロ入り22年目の昨季、日米通算2000本安打を達成した中村紀洋(DeNA)だ。前年は主に5番・サードとして122試合に出場し、打率2割8分1厘、チーム2位の61打点を記録したが、今季開幕は2軍で迎えた。オープン戦で打率1割1分1厘と状態が上がらなかったことに加え、チームはシーズンオフにサードの守備力と堅実な打撃に定評のあるアーロン・バルディリスをオリックスから獲得。中村はいわば、新顔に押し出された格好だ。

春季キャンプが始まった翌日の2月2日。中村は1軍が練習する沖縄県宜野湾市ではなく、神奈川県横須賀市の2軍練習場で汗を流していた。一昔前の主力には、たとえば落合博満のように1軍から離れて“オレ流”でじっくりと調整し、オープン戦終盤にチームに合流する者も少なくなかった。

だが、中村の置かれた状況は異なっていた。膝を向き合わせて話すと、自信家の右打者は正直な心境を吐露し始めた。

「今年はレギュラーとして使ってもらえるのかどうか、わからない。使ってもらえたら、ある程度の成績を残す自信はありますよ。でも、実際に使ってもらえるのかなという不安もあります。今は、モチベーションが難しい。試合に出るかどうかわからないので、イコール、個人的な目標がありません(苦笑)」

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