大学生のときまでは男子と同じような世界にいたのに、社会人になる手前頃から、女子はもう、生き方やあり方を模索しなくてはならない。オトコのように、まっすぐに1本、王道があるわけではない。
その選択は、はたして正しかったのか。選んだ後も、自分で決めたはずなのに振り返ってしまいます。あちらの道を選んでいたらこんなふうだったのかもしれない、もしかしてこうだったら……なんていうふうに。
たくさん王道があるからこそ、いつも迷って決めて、それでも後悔して、時に人と比べて落ち込んだり、優越感を感じたり。でも、だからこそ……女子に生まれたことって面白い!と心から思うのです。
私も就職活動のときに、ひとつ、「商社マンの嫁になるために就職する」という道を捨てました。それがよかったかどうかなんて、誰にもわかりませんが、自分で決めた道です。そして、リクルートで思い切り仕事をさせてもらいました。その間に失恋もしたし、結婚をして、不妊治療もして、こどもをふたり産んで育てています。
その間、転職しようとしたり、部下から総スカンをくらったり、責任ある仕事で結果が出せなくて涙したり。メンバーみんなで大きく事業を成長させたこともあったし、さまざまな経験をさせてもらって、すばらしい出会いもたくさん。泣いたり笑ったり、大忙しの21年でした。
リクルートでは、最後はワーキングマザーで構成された営業組織をマネジメントしていたのですが、彼女たちは、まさに選択させられまくりの人たち。さんざん迷った末、彼女たちが何かを決断して、前に向かっていく姿はとてもたくましくて美しいものでした。
選択の連続……それこそ女子の醍醐味
当時、そんな彼女たちと一緒に決めた合言葉がありました。それは、「手加減された仕事はつまらない」というもの。
家族を持ったからといって、仕事での成長をあきらめない。育児はもちろん、おしゃれやトキメキだってあきらめない。欲望たっぷりに、何ひとつあきらめないで手に入れる方法。それは、何事もどこまでもひたむきに頑張る、ということに尽きる、と私は思います。この決意こそ“やったろ感”です。
がむしゃらに頑張り、物理的にも、精神的にも欲張る。これらはバブル世代の遺物であって、今のさとり世代と呼ばれる若い世代の心の中には、本当にもうなくなってしまったのでしょうか。私にはそうは思えません。きっと彼らのことが理解できなくなった私たち上の世代の大人が、勝手に判断しているだけだと思うのです。
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