「FIT終了」で変わる住宅用太陽光発電の活用術 住宅大手は顧客サービスの充実を目指す

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2019年10月を境に、電力会社には大きな転機が訪れるという(写真:pixelcat/PIXTA)

住宅用太陽光発電(以下、PV)の活用のあり方が今、大きな転換点を迎えようとしている。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT=Feed-in Tariff)において、発電電力(10kWh未満)の買取契約(10年間)が2019年11月から順次終了。「卒FIT」を契機に今後、これまでの売電から発電電力を活用するための新たな選択を求めるユーザーが増加するからだ。

「2019年問題」とも呼ばれるこの状況はビジネスチャンスを生むとされ、大手地域電力会社(東京電力など)、新電力会社、住宅関連事業者などが今、地域を超えた顧客争奪を展開している。本稿では、その中からハウスメーカーを中心とした動きを紹介しながら、住宅用PVの活用の行方についてまとめてみた。

東日本大震災を契機に設置が拡大

PVは地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出しないクリーンエネルギーであるほか、自家消費による光熱費の削減、非常用電源などとしてのメリットから、日本における住宅用は1990年代後半から本格的な普及が始まった。

太陽光発電協会による「太陽光発電の現状―制度の見直し検討と成長戦略―」という資料によると、住宅用PVの搭載件数は2017年度現在で累計237万7832件とし、日本にある全戸建て住宅2859万8700戸(2013年)の8.3%を占めるとしている。

東日本大震災が発生した2011年以降、とくに設置件数が伸びた。震災による影響は被災地だけでなく、計画停電の実施など東京電力管内全域、そして原子力発電所の稼働停止など全国的に及び、国民のエネルギー問題への関心が飛躍的に高まったからだ。

再生可能エネルギーの導入促進、自立・分散型のエネルギーシステムの構築により、地域経済の活性化や防災なども期待できることから、自治体自らPV設置に補助金制度を設け、その結果、新築だけでなくリフォームでの設置も活発に行われるようになった。

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