「就活ひきこもり」の社会復帰を阻む4つの壁 カギは「行動のきっかけ」と「伴走者の存在」だ

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4つ目の壁:就活継続の壁

これら3つの壁を乗り越え続けるために、就活へのモチベーションを維持する必要がある。「就活継続の壁」だ。

就活というのは、一般的には孤独な活動のため、どうしても途中で心が折れてしまい、中断もしくはやめてしまう。新卒就活の挫折のほとんどは、モチベーションが維持できず、現実逃避のようにアルバイトや公務員試験に逃れるケースだ。

この壁を突破するために重要なのは、一緒に就活する「伴走者」の存在だ。

伴走者はキャリアカウンセラーかもしれないし、一緒に就活を行う同期かもしれない。ただ、コーチとなる存在や仲間の存在があることで、うまくいかないときに相談することができるし、悩みを解消するアドバイスや就活の情報交換もできる。

とくにキャリアカウンセラーは就活におけるプロなので、いくつかエージェントを利用することで相性の合う人を見つけて協力してもらえば効果的だ。

就活ひきこもりを脱出するには

筆者が若者向けの就業支援の仕事を始めた頃、「この仕事で目指す理想はこれだ」と思えた出来事がある。それは旅行先のタイやインドネシアで見た、日本の若者と現地の若者との表情の差だ。

『社会に出たいとウズウズしている君に贈る「就活ひきこもり」から脱出する本』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

自分を含めた日本の若者たちは、将来に不安を感じ、日々つまらなそうに仕事をしている。それなのに、東南アジアの若者たちは日本の若者よりも貧乏だし、一見すると単純労働のように見える仕事をしながらも楽しそうに見えた。何よりその顔つきや目から感じるエネルギーは、日本のそれとはかなり差があるように感じた。

自分や周りの人、自分が支援する若者たちが東南アジアの若者のようにポジティブな表情で日々生きていけるように、この仕事をしている。

ひきこもりとなって悶々とした日々を過ごしている人、自分の将来に不安を感じて就職から遠ざかっている人には、もう1度自分の人生をポジティブなものにするために前向きに行動してもらいたいと思う。そこで、先日『社会に出たいとウズウズしている君に贈る「就活ひきこもり」から脱出する本』という書籍を、共著で上梓した。そこには、就活ひきこもりを脱出した人たちの事例、就活ひきこもりを脱出するための知識や考え方をまとめた。ぜひ参考にしてもらいたい。

状況を変えたければ行動するしかない。時には嫌なこともあるが、行動し続ければ必ずいいことに出会える。

川畑 翔太郎 UZUZ COLLEGE(ウズウズカレッジ) 代表取締役

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かわばた しょうたろう / Shotaro Kawabata

1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2024年よりIT/DX分野の教育研修事業「ウズウズカレッジ」を分社化し代表取締役に就任。就活メディアはこちら、X(旧Twitter)はこちら、YouTubeはこちら

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