「就活ひきこもり」の社会復帰を阻む4つの壁 カギは「行動のきっかけ」と「伴走者の存在」だ

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2つ目の壁:仕事選びの壁

次にやってくるのが仕事選びの壁だ。この壁の原因は、新卒の就活時に耳にする「やりたいことを仕事に」という固定観念にとらわれてしまうことだ。また、世の中にどんな仕事や業界があり、それらの特徴や将来性に対する情報が著しく不足していることも影響している。

そのため、「やりたいことがわからない」「どんな仕事があるのかわからない」といった理由で立ち止まってしまい、不安な気持ちからネットで情報収集すると、仕事の悪い側面ばかりが目についてしまい、行動することから自分を遠ざけてしまう。

この壁を越えるためには、今考えても決められない「やりたいこと」はいったん見切りをつけ、「ニーズや将来性の高い仕事」に照準を定めることが重要だ。やりたいことが見つかっていないのは情報や経験が足りないからなので、まずは就職することが第一だろう。そのうえで損をしない仕事を選ぶために、今ニーズがあり、将来伸びる仕事につくことは戦略的だと思う。

面接では意識と準備の改善が重要

3つ目の壁:面接の壁

就活の最難関とも言える壁が面接だ。

今まで1000人以上の就業支援をしてきたが、採用面接が得意という人はかなりレアな存在だ。ほとんどの人が苦手意識を持っており、できることなら二度とやりたくないと思っている。

とはいえ、就活や転職に面接は不可欠。この苦手な面接を乗り越えるためには、「意識」と「準備」の改善が必要だろう。

「意識」に関しては、「面接を面接」と思わずに「面接は会話」だと捉え直すことだ。どうしても面接を意識しすぎてしまうと、準備したとおり完璧に話そう、敬語でしっかり話そう、と緊張でガチガチになってしまい、ほとんどが自滅してしまっている。難しいとは思うが、普通の会話と同じようにリラックスして目の前の面接官に自然体でアピールしたほうがいい結果につながる。

「準備」に関しては、どの企業においても共通する想定質問を書き出し、その回答を準備しておくことが重要だ。もちろん企業ごとに変則的に出る質問はあるし、1回準備しただけの回答がうまくハマるとも限らない。

そのため、一発勝負で面接を突破するのではなく、1回目の面接の失敗を次に生かし続ける姿勢が求められる。

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