水の中で動く「ドローン」が潜かにキテる理由 水中調査にドローンを活用する機運が高まる
小型無人飛行物体「ドローン」。ホビー用から空撮、インフラ点検など少しずつ社会に広がりつつある。配送に活用する取り組みも始まっており、2022年には世界で200億ドル超えの巨大市場となるとの予測もある。
さらに、空だけでなく、水上や水中、地上などを無人で移動するさまざまなドローンも登場。その中でも、水中調査にドローンを活用する機運が高まっている。
高額すぎる無人探査機の水中調査
もともと水中調査は、ダイバーが実際に潜って行うか、遠隔操作型無人探査機(ROV)や自律型無人潜水機(AUV)と呼ばれる大型で高価な無人探査機で行われてきた。しかし、ダイバーは高齢化などから人材確保が難しく、安全上の制約が多い。潜れる深さや時間にも制限がある。
一方、大型の無人探査機は本体が高額なのに加え、運用する大型船や管理する人材が必要で、1回の調査に数百万円から数千万円の費用がかかることも少なくない。
こうした不自由が多い水中調査に、利便性向上と価格破壊をもたらしているのが水中ドローンだ。水中ドローンの明確な定義はないが、人力で運べる大きさ・重さで、遠隔操作が可能な水中探査機を指すことが多い。
2017年、中国企業のPower Visionがコンシューマー向けの水中ドローン「Power Ray」を投入。その後、Chasing-Innovation Technology(潜行科技)の「GLADIUS」など、中国勢を中心に製品ラインナップが充実してきた。
空のドローンと同様、まずはコンシューマー向け水中ドローンが発展。それらを業務用の水中調査に使用する動きが出ている。コンシューマー向け水中ドローンは20万円程度と、ROVなどに比べれば本体価格は圧倒的に安く、操縦も容易。本格的な水中調査は難しいにしても、事前調査や簡易的な点検ならば十分に対応できる。
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