楽天OBが始めた「突然死予防ビジネス」の全貌 お手軽価格の「銀座で脳ドック」を受けてみた

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「ひょっとして」と思うことが続いていたこともあり、「今どきの脳ドック」を受けてみた(編集部撮影)

53歳の筆者には心配事がある。

つい先日のことである。駅から徒歩で家路につき玄関までたどり着いたところで、その日は駅まで自転車で行ったことを思い出した。調べ物をしようとしてグーグルを立ち上げ、検索窓の下のニュースに気を取られていたら、何を調べるんだったか忘れてしまった。すばらしい原稿の構成を思い付いて独りでニヤついていたのに、翌日にはきれいさっぱり忘れていた。「ひょっとして」と思うことが続いているのだ。

脳ドックってそんなに安いのか

そんな折、フェイスブックで友人のIT評論家、尾原和啓氏の投稿を見た。

「脳動脈瘤が見つかりました」

衝撃的な書き出しで始まる投稿をドキドキしながら読み進むと、結論は「3年以内の破裂リスクは0.5%の超初期段階」とのことでまずは一安心。それにしても、今どきの脳ドックはそんなことまでわかるのか。おまけに尾原氏が受けた脳ドック・クリニック「メディカルチェックスタジオ」は銀座一丁目にあり「所要時間30分、検査費用1万7500円(税込1万8900円)」と書いてある。

脳ドックってそんなに安いのか。グーグルで「脳ドック」を検索すると、人間ドックの検索サイトに「費用の相場」という記述には「脳ドックのみ3万円~5万円」「人間ドック+脳ドックのみ10万円前後」と書いてある。1万7500円は相場のほぼ半額。価格破壊ではあるが、本当に大丈夫なのか。

「メディカルチェックスタジオ」のサイトを読むと、2017年12月にクリニックを開業した知久正明医師は国立循環器病センターなどを経て敬愛病院付属クリニックの院長をしていた血管のスペシャリストである。インチキではなさそうだ。

尾原氏の投稿をさらに詳しく読むと、メディカルチェックスタジオのバックヤードやシステムサポートの担当として、楽天グループのマーケティング会社、リンクシェア・ジャパンの社長だった濱野斗百礼(智章)氏と楽天トラベルの社長室長だった神山一彦氏が事務局をしているという。

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