「口の中からわかる」がんや心筋梗塞の予兆 体に起きていることは、ここに現れる
近年、若くしてがんなどの大病を患ったなどというニュースを目にするようになった。がんは男性の4人に1人、女性の6人に1人の死亡原因になっているというデータ(国立がん研究センター調べ)があり、死亡率が跳ね上がるのは50代以降とされている。その理由は、日々できては退治しているがん細胞を、加齢や体調不良に伴う免疫力低下によって退治しきれなくなるからだ。
そんな大病に30代や40代で罹患(りかん)する人が増加傾向にある。こうした「いつの間にか大病」は避けられない宿命と思われがちだが、その兆候は事前に目に見えるところに現れている。『病気の9割を寄せつけない たった1つの習慣』の著者で歯学博士・鍼灸師・食品保健指導士の中城基雄氏が、大病を遠ざけるコツの一部を解説する。
口は臓器の状態を覗き見できる窓だった
私は医大で西洋医学を学び、歯科医師として四半世紀以上のべ3万を超える人の口の中を診続けるかたわら、鍼灸師の国家資格を得るまで東洋医学を学んだことで、口の中と体内に深いつながりがあることを確信しました。
口が体の中で起きていることをあらわす大きな理由のひとつは「口がほぼ臓器」だということです。
口の中は歯だけが硬く、あとの頬やあごの内側、歯茎、舌といったすべての部位は、軟らかい粘膜と唾液に覆われています。つまり顔などと違って皮膚や皮下脂肪に覆われていないため、体の中で起きたことを知る手がかりである血管や血液の状態を、パッと「見る」だけで簡単に確認できるのです。しかも胃や腸といった消化器官の粘膜と地続きなので、臓器に生じた炎症をはじめとした不調の兆候も確認しやすいという特徴もあります。
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