「口の中からわかる」がんや心筋梗塞の予兆 体に起きていることは、ここに現れる

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休みなく血液を送り出す心臓の力が弱まると血流が悪化し、血管の末端にある毛細血管に血液が滞りがちになります。この滞りが、むくみを呼ぶいちばんの要因です。滞った血液がむくみにつながるのには、毛細血管の働きが関係しています。

直径が髪の毛の10分の1ほどしかない極細の毛細血管には、ごく小さな穴があいていて、そこから水分とともに酸素や栄養素がにじみ出ます。それを全身の細胞にじわじわと届け、代わりに二酸化炭素や老廃物を回収するのが毛細血管の役割です。

でも血液が滞ると、水分が必要以上ににじみ出続ける状態になります。この水分が、むくみの正体です。このように、口の中で起きたちょっとしたことから体内で起きているトラブルを発見でき、しかもそこからどの臓器が弱っているかまで予測できるのです。

次は命に直接かかわる状態を知る方法について申し上げましょう。

舌の裏の血管がボコボコ出ていたら脳卒中の一歩手前

舌の先を、上の前歯の裏側に押し当てるようにクルッと丸めてみてください。舌の裏に2本、くっきりした静脈が見えるでしょう。それが人体で唯一見られる、皮膚に覆われていない太い静脈です。この「舌下静脈(ぜっかじょうみゃく)」は、血液や血管に現れた不調を簡単に、いち早く察知できる部位でもあります。

正常な状態なら、腕や脚に見えるほかの静脈のように、うっすら青く見えます。問題は、血管が青黒い、そして紫色っぽく見えるケースです。この場合は、血液中に老廃物がたまるか血流が滞っているかを疑うべきです。血液が滞ってドロドロなのは、余分な糖や脂肪がたっぷり含まれていることが疑われ、高血糖や脂質異常症になりやすい状態ともいえます。

放置すると、粘性が高くネバネバして流れにくい血液を無理やり流そうとするため、血圧が高くなります。さらに悪化すると、だんだん舌の裏の静脈がボコボコと不規則に膨れ上がっていきます。これは血液の流れが相当悪く、血管が詰まりやすい状態です。「ある日突然、 脳卒中に襲われる」といった、緊急事態が間近に迫っています。命にかかわることですから、手遅れになることのないよう、すぐにでも専門医を受診してください。

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