「無力な人間」でも他人を変えられる唯一の方法 「サードドア」著者、学生たちとガチンコ対話

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ただ、いざ指摘されたときに、「なぜわかってくれないんだ!」と反発したのでは意味がありません。

批判してくれる人に対して、その人が心地よく批判できるような空気を作るようにすべきです。

変化を起こすには、勇気を伝染させよう

学生C:私は、13年間カリフォルニアに暮らしていた帰国子女の高校2年生です。私の目標は、日本の教育を変えることです。

日本の学生は目立つことを避けて、心地のよいところから出ようとしません。アメリカでは、授業中に質問があればみんな自由に手を挙げますが、日本では誰も手を挙げません。挙げると周囲から裏切り者のように見られるんです。

才能のある人は大勢いますし、もっと殻を破って挑戦してほしい。私はそのためにみんなのマインドセットが変わるよう、インスピレーションを与えたいんです。

強制して変わるものでもないと思いますが、いったいどのように働きかけてゆけばよいでしょう。

バナヤン:2つのことをお教えしましょう。最初のものは、あまり聞きたくない内容かもしれませんが……まずは、他人の前では、あなたは無力な人間だということを自覚してください。人に何かを促そうとすると、自分の無力さを思い知らされることになります。

他人を動かすのは難しいのです。一方で、自分のことは自分で決められる。自分については、あなたは無力な人間ではないのです。

どうすれば変化を起こせるか。これは私が『サードドア』を執筆した7年間で学んだことですが、そのためには、自分の葛藤に正直になることです。そして、苦しみながらも自分自身で勇気を持って体験し、それをシェアしてください。

そんなあなたの姿を見て、「苦しんでいるのは自分だけじゃないんだ」と気づいて、勇気を得る人が現れます。恐れや不安の感情が伝染するように、勇気も伝染するんです。

あなたのやろうとしていることは、日本中の若者に勇気を起こさせる、彼らを触発する役目を果たしたいということですよね。

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