「無力な人間」でも他人を変えられる唯一の方法

「サードドア」著者、学生たちとガチンコ対話

あなたは書道の大会で賞をとっているチャンピオンです。若いということは、確かに不利になるかもしれませんが、同時に有利にもなります。

あなたのようなミレニアル世代で、企業の重役レベルの人に教えられる何かを持っている人なんて、そうそういないと思います。

躊躇してもいい。でも挑戦しよう

学生E:お話を伺って、バナヤンさんの話し方はとても聞きやすくてわかりやすいと感じました。何か意識していることはありますか?

バナヤン:話すには練習が必要です。『サードドア』は、何度も書いて書いて、推敲するうちに、頭の中が整理され、非常にシンプルでわかりやすい言葉で書けるようになりました。そして、それができて、初めてわかりやすく話せるようにもなりました。

よい話し手になるには、場数を踏むことだと思います。そして、明確に書くことができるようになることですね。

学生E:さまざまな機会で講演をされているので、ムチャぶりを頼まれることもあるんじゃないかと思いますが、自分ができないことでも引き受けられますか? それとも、できないことはできないと言うのでしょうか。

バナヤン:そこはイエス・ノーで答えられるものでもないんです。まず、100%できないとわかっているときは、はっきり「できない」とお伝えします。

一方で、できるかもしれないけれど、自分の恐れのせいで躊躇していると気づいたときには、引き受けるようにしています。

私が20歳のとき、IBMのカンファレンスでホストをやってほしいと依頼され、5000人の聴衆の前で初めてスピーチをしました。

20歳の若輩がですよ。「やったことがあるでしょう?」と言われたときは、少し悩みました。確かにスピーチをやったことはありましたが、さすがに5000人の前では経験がない。だから恐れがあったんです。

でも、それは断る理由にはならないと、「イエス」と答えました。

「やったことがない」と「できない」はイコールではないんです。経験を重ねればできるようになることもある。つまり、自分の居心地のよい状況から飛び出そうということです。

今日お話ししたみなさんには、それぞれ得意なことがあると思います。

さらに、自分ができると思っていることの外側にあることに、ぜひ挑戦してほしいと思います。躊躇はするけれども、やってみる。成功している人は誰もが同じことをしています。

ビル・ゲイツにも、レディー・ガガにも、スティーヴン・スピルバーグにも、すべての人に「初めて」のときはあったわけです。

自分自身に課題を与えて挑戦すること。それがみなさんの人生にとっての、大きなテーマだろうと思います。

(構成:泉美木蘭)

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