あのキャデラックが遂げた圧倒的な進化の神髄 デザインも性能もかつての印象と全然違う

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キャデラックの日本法人を務めるGMジャパンが株式会社ゼンリンデータコムと共同開発したものである。GPS測位できない環境でも車両搭載センサーと連携して位置測位が可能というのがセリングポイントだ。

ドライバーズカーとして機能性の高いコクピット(写真:LEON編集部)

システム側に地図データをもたないのが特徴で、そのためデータ更新が必要なくなる。私が乗ったときはまだほぼテストが終了する(が完了していない)という段階だったので、目的地を設定するときちょっと時間がかかったが(いまは問題解決しているそうだ)、動きだすと快適な速度でルート案内を正確にしてくれた。

データの送受信にはソフトバンク株式会社が運用する4G通信網による電気通信サービスを利用する。車両の専用端末機器からクラウドストリーミングナビサーバーへアクセスし、地図情報と交通情報を得るのだ。

米国では、フリーウェイを中心に自動車専用道では、(法規的な問題からニューヨーク州を除いて)ほぼ完全に手放しの運転が可能な「スーパークルーズ」もCT6から導入されたし、CT6は意外なほど、技術的にも進歩したモデルなのである。

まるでリムジンのような室内

室内の作りはよく、レザー、ウッドパネル、クロームパーツなど複数の素材をうまく使い質感を出していて居心地がよい。運転席はタイトな作りで、操縦性に重きが置かれているいっぽう、後席は広々として、しかも左右にモニタースクリーンが設けられるなど、リムジンのようでもある。

足まわりは、磁性流体ダンパーを組み合わせた「マグネティックライドコントロール」が採用されている。乗り心地はややスポーティに振ってある印象で、ハンドリング重視の印象だ。ふわふわさはいっさいなく、ビシッとしていて、かつ快適さが犠牲になっていない。ドイツ車と真っ向からぶつかる印象だ。

見た目は余裕あるサイズだが後輪操舵システムの恩恵もあり運転を楽しめる(写真:LEON編集部)

全長5230ミリの車体に、3649ccV型6気筒エンジンを搭載したキャデラックCT6の価格は、1026万円(8パーセントの税込み)で、消費税が10パーセントだと1045万円となる。

メルセデス・ベンツだと270kWの3リッター6気筒を5125ミリのボディに搭載した「S450」(8パーセントの税込み1170万円)が思いつく。BMWでは5125ミリの車体に250kWの3リッター6気筒の「740i」(同1090万円〜)がある。レクサスは5235ミリに310kWの3.4リッター6気筒の「LS500」(同981万4000円)をラインナップに持つ。

走りも楽しめるプレスティジャスなセダンは、今回のCT6を含めて、おとなの男にとって、選ぶ楽しさがいろいろある。

(取材・文/小川 フミオ)

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