あのキャデラックが遂げた圧倒的な進化の神髄 デザインも性能もかつての印象と全然違う

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キャデラックのスタイリングは、しかしながら、1999年に発表されたコンセプトモデル、イヴォーク Evoqコンセプトで大きく変わった。側面から見るとくさび形のボディに、英語だとクリスピーと表現される手の切れそうなラインを設けて、キャラクターを確立したのだ。

6ライト(リアクォーターパネルにもウィンドウを開けたスタイル)のキャビンは後席の居心地もかなりよい(写真:LEON編集部)

2016年登場のCT6は、(ご覧のとおり)エッジのたったスタイリングから、エレガンスのほうへコンセプトを振っている。実際のマーケットは米国と(これまでは中国)がメインだが、日本でも好かれるいい意味でインターナショナルテイストをそなえていると思う。

今回のフェイスリフトでCT6のデザインは、さらに新しい世代へと進んだという。このクルマが発表された年の夏、米西海岸ペブルビーチで開催された「コンコースデレガンス」でお披露目されたスタイリングコンセプト「エスカーラ」で試した要素を、フロントとリア部分に採用しているのだ。

デザインの独自性はキャデラックならでは

グリルの輪郭と、ラニングライトとつながったヘッドランプのデザインの変更がとりわけ眼をひく。大きなグリルがその背後に搭載されたパワフルなエンジンの存在を示唆しているように思わせる。(けれど本国ではCT6の目玉モデルはプラグインハイブリッドなのだ)

250kWのエンジンと、従来モデルより100キロも軽量化されたボディの組合せで、かなりパワフルな印象だ。パワフルというより、スムーズ(セダンであるCT6ではこちらのほうがホメ言葉)。発進でも中間加速でも、アクセルペダルへの反応がよい。速度が乗ってからの加速の伸びはとてもよい。

4WDだが通常は後輪駆動であることに加え、高速時などは前輪と同じ方向に後輪に角度をつけるアクティブリアステアも装備することで仮想ホイールベースを長くし、操縦安定性を高めている。ようするに、ロングツアラーとして、楽しく、かつ、安心して運転していられるのだ。

CT6はデビュー時から、”価格はすこし高めかもしれないが、オプションは極力少なくし、ほとんどの装備を標準で搭載”というのが特長だった。

後方の死角を減らすデジタルリアビューミラー(キャデラックでは「リアカメラミラー」と呼ぶ)や、赤外線を使い夜間に歩行者や動物を検知する「エンハンストナイトビジョン」も、実際にこのクルマを毎日使うようになったら、頼りになる装備といえる。

従来のCT6では、しかし、カーナビゲーションを搭載していなかった。米国のユーザーは、アップルカープレイやアンドロイドオートに接続してスマートデバイス経由でルートガイドを使うから(日本でも)、というのが説明だった。

新型CT6は、ついに、カーナビゲーションシステムを搭載したのがニュースだ。それがキャデラックらしいというか、世界初を謳うユニークなシステムである。車載通信システムによるストリーミング技術を使った「クラウドストリーミングナビ」なのだ。

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