8月30日から韓国、釜山市郊外の機張(キジャン)で行われたWBSC(世界野球ソフトボール連盟)のU18ワールドカップのオープニングラウンドを観戦した。
機張は、釜山市中心部から地下鉄で約40分の日光(イルグァン)駅からタクシーで10分ほど。アクセスはそれほどよくないが、4面の野球場が整備されたすばらしい施設だ。ここで世界12カ国のU18チームが試合をした。この大会は9月8日に決勝戦が行われ、台湾代表がアメリカを破り、5大会ぶりの優勝を果たした。
2015年はこの大会が日本の関西で行われたが、このときは豊中ローズ球場や甲子園など球場が分散して、当時高校1年の早稲田実業・清宮幸太郎や3年の関東第一・オコエ瑠偉などの選手はその都度各球場に移動していた。
今回のように1カ所で試合をすると、他国の試合も1度に見ることができる。また、選手や指導者、関係者の交流も深まる。日本にもこうした「ベースボール・コンプレックス」は必要だと痛感した。
他国と空気が違う侍ジャパン
こうして各国のチームが集結すると、日本チーム、侍ジャパンを取り巻く特異な空気が、浮かびあがってくる。
日本の試合だけは、報道陣が大挙して押しかけるのだ。機張の球場は観客席が数百しかないが、日本戦ではネット裏から日本側の観客席の半分くらいまで日本メディアが占拠する。韓国や台湾もメディアが来ていたが、日本のメディアの数は圧倒的だった。
そもそもこの大会は、韓国国内ではほとんど報道されていない。筆者は釜山社稷球場で韓国プロ野球ロッテ・ジャイアンツの試合も観戦したが、スタンドで数人のファンにU18のパンフレットを見せたところ、誰も知らなかった。
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