何割の人が「働かないオジサン」になるのか? これが、オジサン社員の4類型だ!

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70%が「働かないオジサン」になる?

こうしてみてくると、全体の70%が、イキイキ働く「会社人間型(Ⅰ)」から、「いい顔」でなくなる「組織埋め込み型(Ⅲ)」「無気力型(Ⅳ)」に移行している

数値は正確なものではないが、50代の社員にヒアリングしながら作成したので、ある程度の真実性はあるのではないかと考えている。細かい割合はともかくとして、30年の歳月を経ると、充実感をもって働く社員が、これほど減ってしまうのである。

中高年のライフプラン研修を数多くこなされている講師に、話を聞いたことがある。受講者に職業人生の満足度を表してもらうと、充実度の高い時期は30~40代で、最も下降するのは50代。そして60歳を終点として下降し続けるという。

それに呼応するように、年齢を経ながら、多数の社員が、「会社人間型(Ⅰ)」から「組織埋め込み型(Ⅲ)」や「無気力型(Ⅳ)」に移行する。それは一体なぜなのだろうか?

今まで述べてきた、ピラミッド組織や新卒一括採用といった会社の仕組みも関係しているだろう。しかしそれだけとは思えない。社員の側にもそうなる原因がありそうだ

この図の中で、「会社人間型(Ⅰ)」にそのまま残っている活力ある社員、および「会社人間型(Ⅰ)」から「社外充実型(Ⅱ)」に移行したうえで、イキイキ働いている社員についても検討を加えなければならない。もっと少数になると思われるが、「会社人間型(Ⅰ)」や「社外充実型(Ⅱ)」から、起業・独立して会社を離れた方々のことも、会社生活のヒントになるという意味では考慮しておくべきだろう。

次回からは、この30年の変化も勘案しながら、会社員人生を検討していきたい。

楠木 新 人事コンサルタント

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くすのき あらた / Arata Kusunoki

1954年神戸市生まれ。1979年京都大学法学部卒業後、生命保険会社に入社。人事・労務関係を中心に経営企画、支社長等を経験。47歳のときにうつ状態になり休職と復職を繰り返したことを契機に、50歳から勤務と並行して「働く意味」をテーマに取材・執筆・講演に取り組む。2015年に定年退職した後も精力的に活動を続けている。2018年から4年間、神戸松蔭女子学院大学教授を務めた。現在、楠木ライフ&キャリア研究所代表。著書に、『人事部は見ている。』(日経プレミアシリーズ)、『定年後の居場所』(朝日新書)、『定年後』『定年準備』『転身力』(共に中公新書)など多数。

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