高齢ドライバー「認知機能検査」知られざる中身 世界でもめずらしい検査の仕組みとは?
高齢ドライバーの死亡事故率は2倍以上
75歳以上の高齢ドライバーの数は2020年には600万人に達する見込みで、超高齢化社会の進展に伴い、今後も少しずつ増加すると予想されています。
誰もが避けられないことですが、高齢になると、生理学上どうしても認知機能が衰えてしまいます。知能検査として広く使われている「ウェクスラー知能検査」の加齢変化に関する実験結果によると、70代になると30代に比べて、処理速度や判断力は40%にまで低下することが判明しています。
また、警視庁が発表したデータでは、75歳以上の運転者は75歳未満の運転者と比較して、約8倍もアクセルとブレーキの踏み間違いがあります。実際の事故率でも75歳以上の運転者の死亡事故は、2倍以上も多く発生しています。運転は高度な認知的判断が必要となり、一瞬の判断ミスが大事故につながると考えられます。
そこで日本では、75歳以上の運転者に対し「認知機能検査」を始めています。
これは2009年以降、3年に1度の免許更新時や特定の違反行為に該当した場合に義務付けられているもので、2017年の改正道路交通法以降は、高齢者の運転事故対策等を目的に、検査の仕組みが強化されています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら