高齢ドライバー「認知機能検査」知られざる中身 世界でもめずらしい検査の仕組みとは?

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海外では、個人の自主性が尊重される傾向が強いため、高齢者に限定した検査等の施策を行っている国はまれです。逆に高齢者の運転を阻害することで、生活の質や精神的な健康の低下を招くことを懸念している報告書(欧州連合発表のCONSOL報告書)もあります。高齢者の運転免許の停止率を高めることだけでなく、各自の状態に合わせ、安全な運転社会実現のために必要な施策を行う必要があるでしょう。

高齢ドライバーによる死亡事故は、認知機能の低下によるものだけでなく、当然、身体機能の低下にも起因しています。新聞報道によると、警察庁は認知機能検査に加え、運転技能を調べる実車試験導入を検討しています。運転技能に問題があれば、安全機能付きの限定免許とする制度につなげることが目的のようです。

事故率を下げるためには総合的な施策が必要であり、実車試験の導入で一歩踏み込んだ事故対策が可能となるでしょう。また、自動運転の高度化やAIなどを活用した衝突防止機能の発展などテクノロジーのさらなる活用により、高齢者がそもそも事故を起こしにくい仕組みづくりも求められています。

まずは自身の認知機能を知ることから

認知機能検査というと、認知症と判断されたらどうしよう、自分が受けるのは怖いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

『これで安心! 75歳からの運転免許認知機能検査  テキスト&問題集』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

ただ、安全で健康的な生活を送っていくためには、自分自身の身体や認知の機能がどのような状態にあるかを知っておくことは欠かせません。

大切なのは「事実を知ること」で、事実を知れば運転時に気をつけるようになったり、認知症を予防するようなトレーニングを積極的に行うことで、認定機能の低下を少しでも和らげることにつながります。

今は75歳未満だったとしても、免許証を持っている限りいつかは受けるのが認知機能検査です。私が代表をしているベスプラのサイトでは、認知機能検査のウェブテストを提供しています。1度は試しにご自身で受けてみるのもよいのではないでしょうか。

遠山 陽介 株式会社ベスプラ代表取締役

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とおやま ようすけ / Yosuke Toyama

ベスプラは、2012年4月にヘルスケアのITエンジニアによって設立。社会課題解決のために、テクノロジーとサイエンスを組み合わせたサービスを展開している。2017年に公開した運転免許認知機能検査に関するウェブテストは、10万人以上が受検する大ヒットとなる。2019年3月には、地方銀行7行が主催するフィンテックビジネスコンテストにて認知症対策サービスへの取り組みが最優秀賞を受賞。ヘルスケアに関するフィンテック企業のなかでも、大きな注目を集めている。

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