突然だが、あなたはあなたの思う「あるべき像」と、そうはなっていない「実像」の食い違いに思い悩み苦しむことはあるだろうか?
アメリカのシンガーソングライター、シャノン・カーティス(Shannon Curtis)はその葛藤を経験した。
現在の彼女はパーソナルソング提供や、「ハウスコンサート」という独自に形成した演奏活動により収入を得ている。そして、皮肉にもパーソナルソングの提供という仕事は、困窮した家計を変えねばならないという、のっぴきならない事情から思いついたものだった。
「あるべき像」をいくら追求しても、仕事はなく、収入もない。そして、そこには達成感や幸福も存在しない。
シャノン・カーティスの場合、「あるべき像」へのとらわれから離れることができたのは、目の前の差し迫った状況だけでなく、彼女自身にとっての音楽の定義が深化・拡大したことによる。
個人の家に行って演奏しお金をもらうビジネスモデル
数多くいるシンガーソングライターの1人として、皆がやるように各地のライブハウスや学園祭を転々としながらあまり儲からない音楽活動を続けていた。そんなある日、ファンの1人から自宅リビングで演奏してほしいというメールをもらった。
そのときの体験を彼女はこう語る。
演奏する「ハコ」の大きさやネームバリュー、ファンの数や動員人数、知名度、肩書き。
芸術家であるはずのわれわれ音楽家も、ふと気づけばいつもそういったものを気にし、他人と自分を比較して落ち込んだり悦に入ったりしている。
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