クラシック音楽・ジャズ音楽という“ニッチ”な市場において、音楽家は浮世離れしてビジネスとはかけ離れたところに生きているイメージが持たれている。彼らはどのようにして「自分の仕事」を確立しているのか。
その生き様は、音楽家とゆかりもない方々から興味を持っていただけるか、それとも小さく時代遅れで愚かな世界だと思われるのか、音楽の世界の住人である筆者には正直なところまだわからない。
自分自身、音楽以外の世界で生きたことがないからだ。
起業家的音楽家、アンドリュー・ヒッツ氏
アメリカのチューバ奏者 Andrew Hitz (アンドリュー・ヒッツ)氏が展開する”The Entrepreneurial Musician” 直訳すると「起業家的音楽家」というポッドキャストをご存じだろうか? 今連載ではヒッツ氏の協力の下、筆者が日本語に翻訳しながら、クラシック音楽およびジャズ音楽における起業とビジネスの実例を紹介したい。
”The Entrepreneurial Musician” = 起業家的音楽家 という切り口でポッドキャストを運営し、コンサルティングやセミナー活動を行うアンドリュー・ヒッツ氏は、チューバ奏者である。
チューバという楽器をご存じであろうか?
こんな見た目の楽器である。
チューバとは金管楽器の一種だ。
金管楽器は唇を振動させて音を出す楽器で、トランペット、トロンボーン、ホルンといった楽器もいずれも金管楽器である。
これら金管楽器で構成される5人編成のアンサンブルが「金管5重奏」なのだが、ヒッツ氏は世界的に有名で人気も非常に高い「ボストンブラス」という金管楽器5重奏のメンバーを14年間務め、チューバ奏者としての地位を確立した人物だ。
まずはヒッツ氏自身の演奏をお聴きいただこう。
このボストンブラスのメンバーになったきっかけが面白い。ポッドキャスト The Entrepreneurial Musician 第64回より、本人の話を引用しよう。
彼の演奏者としてのキャリアは1本の電話から始まった。
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