「カメラを止めるな!」盗作騒動の法的な論点

大ヒット映画にかけられた著作権侵害疑惑

SNSを通じた口コミで大ヒットしている映画『カメラを止めるな!』(東洋経済オンライン編集部撮影)

この夏、社会現象ともいえる大ヒット映画『カメラを止めるな!』に盗作疑惑が浮上しています。

この作品は、6月下旬に都内2館のみで上映がスタートしたものの、有名芸能人が高く評価したことなどを受けて、あっという間に「おもしろい」という口コミが広がり、今では全国200館近くで上映されており、まさに破竹の勢いで急拡大。制作費がたったの300万円という点も注目を集めましたが、興行収入はすでに8億円に達しており、「邦画なら20本に1~2本」しか到達しない10億円を突破するのは確実であろうと報じられています。

【2018年8月24日15時30分追記】記事初出時、「今では全国200館以上で上映」とありましたが事実と異なりましたので、表記のように修正しました。

しかし、その快進撃の真っ只中である8月21日に発売された「FLASH」(光文社)で、『カメラを止めるな!』の盗作疑惑が報じられ、大変注目を集めています。

同誌では、2011~2014年に活動していた劇団「PEACE」の主宰者・和田亮一氏にインタビュー取材を行っており、和田氏は『カメラを止めるな!』は、監督の上田慎一郎氏のオリジナルストーリーではなく、実際は和田氏ともう1人の人物が脚本を制作した舞台『GHOST IN THE BOX!』が原作であると主張しています。

単なるアイデアは著作権法では保護されない

それでは、『カメラを止めるな!』は本当に盗作といえるのでしょうか? 

「盗作」「パクリ」というのは法律用語ではありません。法律上は、著作権法上の権利(著作権)を侵害しているかどうかが問題となります。

もっとも、ここでポイントとなるのは、著作権法で保護されるのは、あくまで文章や絵、彫刻、音楽といった作品において具体的に現れている表現であるということです。表現の前提となっている、アイデアは保護の対象となっていません。

したがって、ある映画のあらすじや人物設定、物語の背景などについては、たとえそれらをまねして同じような作品を作ったとしても著作権の侵害とはならないのです。これが、アイデアそのものを保護する特許法と、表現としての著作物を保護する著作権の大きな違いです。

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