何で私ばっかり?
横浜市在住の小野玲奈さん(40歳、仮名)は、子どもの頃から母方の祖父母と暮らしていた。
小野さんが結婚して家を出た2カ月後、母が末期の肺がんであることが判明。翌年、母は57歳で亡くなった。
母は一人っ子で、父は婿養子だった。祖父はすでに他界していたが、祖母は82歳で健在。母がいなければ、今後衰えていく祖母を父が1人で介護することはもちろん、祖母と父では同居を続けることさえ難しいと思われた。
小野さんには姉がいたが、数年前に長男と結婚して家を出ていた。
そこで小野さんは夫と相談し、祖母と父との同居を決意。小野さんの夫は次男だったこともあり、夫の両親も承諾してくれた。
しかしいざ同居が始まると、母を亡くした悲しみが癒える間もなく、祖母や姉と衝突する日々が続いた。
「姉は長女らしい責任感の強い人だったので、祖母の様子を見に週に1〜2回来ては、『私ならこうしてあげるのに』と口を挟んできました。祖母のほうは、大正女性特有のきっちりした性格で、私はいかにもB型な現代っ子。そうした性格の不一致のせいか、祖母は姉に、私に対する愚痴をこぼしていたのです」
小野さんは「何で私ばっかりこんなつらい思いをしないといけないの?」と思った。
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