母が双極性障害?
東京都在住の桜井幸子さん(仮名、44歳)は東北出身。結婚を機に15年前上京した。
父は桜井さんが20代の頃、50代半ばで亡くなっている。母は実家で姑を介護していたが、7年前に看取ってからは1人暮らしをしていた。桜井さんには2歳離れた妹がいたが、結婚や出産のことで仲たがいしたことを機に、母と妹は勘当状態。桜井さんは一度、妹の嫁ぎ先に行ったことがあるが、「もう来ないで」と言われたため、10年以上連絡を取っていない。
桜井さんは事務の仕事をしていたが、2008年に娘の出産を機に退職し、子育てに専念していた。そして2015年、小学校入学前の春に娘とともに帰省していた桜井さんは、年末年始以来会っていなかった母に違和感を覚えた。
「しきりにイライラしているし、料理が好きな人だったのに、『もう料理はしてないの』と言っていて、おかしいなと思いました。後から知ったのですが、母は自ら病院に行き、双極性障害(そううつ病)と診断されたようです」
桜井さんは1年ほど前から、母から毎日頻繁にかかってくる電話に悩まされていた。電話の内容は、はじめは他愛のない愚痴だったが、徐々に不安や気分の落ち込みを訴え始め、ときには泣きながらかけてくることもあった。
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