新人研修でラジオDJする福島のガス会社の凄さ 世界最先端の社員教育を自然に実現していた

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研修で「未知の体験」にこだわるのには理由があります。それは、初めてのことや慣れないことをするのは、人間にとってストレスだし、とてもしんどいからです。やり遂げるまでには、たくさんの大変なことに遭遇します。

うまくいかず苦労することもしばしばでしょう。そうしたときに、それを乗り越えようとさまざまに考え、行動し、うまくいかないときにはもう1度考え直し、再トライする。

こうした繰り返しの中で、人はさまざまなことを学び、成長していきます。私が、新人研修を通して期待しているのは、新入社員たちがこうした学びをたくさん得てくれることです。

さらに、私が新人研修で重視しているのが、一般的に見れば「無駄な経験」というものを、たくさん経験してもらうことです。これは私の考え方なのですが、「一般的に見て無駄な経験」というのは、実はその後の人生において大きな肥やしになります。

未知の経験にしても、無駄な経験にしても、若いうちのほうが受け入れやすいものです。その意味では、社会人として「真っ白」な新入社員だからこそ、こうした研修がしやすいともいえるかもしれません。

学びがあれば、すべて研修

ほかにも毎年秋に実施しているお客さま感謝祭で着ぐるみを着て、お迎えする「着ぐるみ研修」や地元の銘菓の新しい食べ方を提案する「饅頭研修」、ハンバーガーを早食いする「早食研修」など、当社の研修ラインナップには、およそ一般的な研修のイメージとはほど遠いものが並びます。

通常、アポロガスの新人研修のメニュー数は約30、それに合わせて約20本の論文・リポートを課す、というのが平均的です。それを、内定後の10月から入社後1カ月半までの期間に、およそ50日を使って行っています。

2017年度は、こちらが出す課題を新入社員たちがどんどん消化していってくれるので、私が「これは面白い」と調子に乗り、次々と新しい課題を提案していったら、結果的に150種類の研修を行い、これまで100本の論文を書かせることになりました。

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