乳がんを告知された看護師が絵本を作った理由 生きて「付き合っていく病気」との日々は…

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約3年前にがんと告知された50歳女性が、今考えることとは…(写真:筆者撮影)
毎年約5.6万人———18歳以下の子どもがいて、がんが見つかった人たちの数だ。東京ドーム球場の収容人数5.5万人を上回る。だが、働き盛りでがんになった人たちの、生の声を聞く機会はまだ少ない。一方で、世の中には「がん=死」という固定観念がまだまだ根強い。
国立がん研究センターの統計(2019年1月21日更新)によると、がんの患者の5年相対生存率は男女計62.1%(男性59.1%、女性66.0%)。今や過半数を占め、実際には「付き合っていく病気」に近づいているのに、だ。
子どもを持つがん患者のコミュニティーサービス「キャンサーペアレンツ」会員の協力の下、各自が病気とどう向き合い、新たな生活を手作りしていったのかを紹介する。何らかの困難に直面しても、成長につなげられるヒントがそこにある。
第1回目は乳がん治療中の看護師、嶋田美佳(仮名・50歳)。多くのがん患者や家族と向き合ってきた彼女自身が、告知を受けてから試行錯誤を経て気づいた家族の絆や、新たに始めたことを紹介する。

有名人の記者会見に共感する夫へのいら立ち

嶋田美佳はいら立っていた。ある有名人が妻の乳がんについて記者会見するのを、会社員の夫(当時48)がテレビで見ている姿に、だ。2016年6月だった。

「同じ年の5月に、私は乳がんと告知されました。翌6月ごろはがんと向き合い、気持ちを必死にコントロールしようと心がけていました。それなのに夫が、同じ病気の妻を持つ有名人に人一倍共感し、自分を重ね見ている姿を目の当たりにして、気持ちを強くかき乱されてしまったんです」

嶋田は当時の心境をそう振り返る。

荒川龍さんによる連載、1回目です

私立の中高一貫校に通う一人娘(当時14)のお弁当作りも含め、家事の一切を夫に委ね、自宅のベッドに1人伏せることになった。

「慣れない家事を夫にすべて委ねるしかない。そんな自分へのいら立ちのほうが、仕事を早く切り上げて帰宅してくれていた夫への感謝よりも、申し訳ないですけど、当時は大きかったですね」(嶋田)

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