「失った乳房」はここまでキレイに再建できる 乳がんの手術と同時に再建することも

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日本人にはまだなじみの薄い「乳房」の再建手術だが、その技術は進化している(撮影:尾形文繁)
乳がんの発覚後、がんの進行状況によって、あるいは、再発を防ぐために乳房を全摘出する人は少なくないが、最近は乳房を「再建」する手術を受ける人も増えている。
2016年10月に乳がんが発覚した起業家の川崎貴子氏も、友人のアドバイスを受けて、右乳房の全摘手術と同時に、乳房を再建する手術を受けた。自らの乳房に未練はなかったと、乳がん体験記『我がおっぱいに未練なし』につづっている川崎氏が、再建を決めた理由は何だったのか。そして、「新しい乳房」の感触は。
乳がん発覚後の生活の変化などについて語ってもらった前編(「乳房と別れを告げた女性」が選んだ生き方)に続き、乳房再建に積極的に取り組むセルポートクリニック横浜院長で医学博士の辻直子氏との対談後編をお届けする。
(記事後半に、乳房再生前後の画像が出てきます。抵抗感がある方は、閲覧をお控えください)

乳房再建は地域格差が大きい

川崎貴子氏(以下、川崎):右乳房の全摘手術を受けるのと同時に、皮膚を伸ばすためのティッシュエキスパンダー(組織拡張器)を入れる再建の事前処置を受けました。再建については、私が子どものころ、乳がんで全摘手術を受けたおばの術後を見てショックを受けたことと、まだ次女が5歳と小さいので、プールや温泉に一緒に行く機会も多いと思ったから。

術後、おっぱいの傷はひどかったですが膨らみはあったし、半年後にはシリコンバッグを入れたので子どもたちはすぐに慣れましたね。

――今、再建率はどのくらいですか。

辻直子氏(以下、辻):昔よりは上がってきていますが、温存も含めた全乳がん患者のうち11〜12%くらい。

川崎:思った以上に低いですね。

まだ低いですね。ただ、全乳がん患者の6割は温存しているので、変形が目立たない方は再建しません。温存でもかなり凹んでしまった方や全摘の場合に検討するということになりますが、再建する医者がいる地域とあまりいない地域、情報が行きわたっている地域といない地域がありまして。東京や神奈川あたりだと再建率は10%以上になりますが、四国だと1%以下。かなり格差があります。

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