「失った乳房」はここまでキレイに再建できる 乳がんの手術と同時に再建することも
でも、もっとおっぱいをキレイにできるんだと思ったら、「おもしろい、受けてみたいな」と思って。もっと前向きにおっぱいに向かい合えるかな、と。実際に作ってみると確かに綺麗になるし、作り物だから自分のものという自覚が希薄で……。今日もさっき先生にさっそく見せました。
辻:「えっ、ここで?」って(笑)。友達に見せて触らせる方は結構多いですね。
川崎:手術は局所麻酔だったので、先生たちの話を聞いていておもしろかったです。流れ作業みたいになっていて、「乳首って作れるんだ」と医療の進歩に感激しました。
お風呂で二度見されなくなる
辻:植皮のほかに、入れ墨で皮膚に直接色を付けるパターンもあります。いずれにしてもやはり作り物なので、よく見ると少し違う。でもパッと見、あるとないというのは全然違いますね。ないと、お風呂などで二度見されるという方が多い。
川崎:私、二度見された覚えがないんですよ。もしかしたら見られていたかもしれないけど、気が付かなかった。ただ、私と同じおっぱいの女性を私は温泉でもプールでも見たことがないので、やっぱり二度目されたりするのを気にしているのだろうと思います。
辻:乳頭まで再建していても、温泉やジムには行きたくないという方も半数ほどいます。本人の気持ち次第かもしれません。
――再建技術はずいぶん進歩しているのですね。
辻:この30年ほどで段階的に技術が進歩してきました。かつてはお腹の組織を入れる方法しかなかったので大掛かりでしたが、インプラントで簡単にできるようになったのが十数年前。その方式が保険適用になったのが2014年。脂肪を吸引して入れる方法も5〜10年ほどの間でよく行われるようになりました。
お腹の組織を入れると保険適用で約30万円、入院期間は2週間〜1カ月ほど。インプラントもやはり20万~30万円ほどで入院は3日〜1週間。脂肪注入は保険がきかないので、40万〜100万円以上かかる場合もあります。入院せず日帰りか、長くても2、3日程度。乳頭は日帰りで可能です。
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