「服屋に着ていく服がない」というジョーク。その根底には、身なりで店員さんの対応が変わるのでは、という不安があります。店員さんは本当に、客の服を見ているのでしょうか。見ているとしたら、それは品定めなのでしょうか。
結論から言えば、プロの販売員ほど見ていると言われます。ただしそれは、「客を値踏みする」ためというより、サイズ感や好みを素早くつかみ、提案の精度を上げるためのもの。とはいえ、その視線に居心地の悪さを覚える方もいらっしゃるはずです。
そこで、仕事柄あらゆる価格帯の服屋に通う筆者が、店側の視点も交えつつ、接客の苦手意識から解放されるコツをお伝えします。
エルメスとラーメン二郎の共通点
ラグジュアリーブランドのエルメスと、コアなファン文化を持つラーメン二郎。一見すると、ターゲットも価格帯も異なりますが、我々ユーザーが感じる入りづらさという点では、共通項があります。
世の中には、エルメスのバーキンのように、お金があっても、購入履歴や担当者との関係などが影響すると言われる商品が存在します。一方で、ラーメン二郎や一部のストリートブランドのように、独自の暗黙のルールを知らない一見客が、戸惑ってしまうことがあるカルチャーもあります。
前者はブランドの品格を守るため、後者は限られた席数で回すオペレーションを崩さないためと捉えたとき、そこにはお金以外の参加資格を試されていると感じてしまう緊張感があるのです。
というのも日本社会における一般的なサービス業では、顧客と店員の関係は、お金を払う側が優位であり、対価さえ払えば、等しくサービスを受けられると期待されがちです。ところが強力な求心力を持つこれらの店では、顧客として認められるための見えないハードルが存在するように感じられることがあります。


















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