「客を値踏みするような視線」「ユニクロで済ませたい」…服を店で買うのが苦手な人が知らない"店員の視線の正体"

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つまり単に買い物に立ち寄っただけなのに、まるで入会審査を受けているようなプレッシャーを感じてしまう。あるいは、間違った振る舞いをして失笑されるのではないか、という試されている感覚。こうした感覚こそ、我々ビジネスパーソンが特定の店の入り口で足がすくむアウェイ感の正体と考察します。

ユニクロが支持される理由

一方で、店側の事情とは別に、私たち客側の心理的ハードルについても触れねばなりません。人によって差はありますが、店員との会話ややり取りを買い物の一部として楽しめない人は少なくありません。

たとえば、店員との会話そのものを楽しみ、提案を受け入れつつも、今日はやめておきますと軽やかに断れる人もいます。ですが、論理に忠実であろうとする人ほど、そうはいかないことがあります。スタイリッシュな店員にあれこれ提案されると、自分のなかで勝手なプレッシャーを感じるからです。

せっかく説明してくれたのに、何も買わずに店を出るのは申し訳ない。あるいは、試着までしてしまったら、断る理由を論理的に説明しなくては、という自分のなかの整合性に縛られます。こうした断りづらさの幻想が、服屋への入店を重たいタスクに変えてしまっているのではないでしょうか。

本当は、一人でじっくり素材を確かめたいし、自分のペースで比較検討したいのに、店員という対人要素によって、冷静な判断ができなくなる状態を避けたい。その文脈で考えると、なぜユニクロが、これほどまでに支持されるのか。その本質も浮き彫りになります。

ここでは価格や品質のバランスではなく、ユニクロにおけるユーザー体験に触れます。多くのカスタマーが価値を感じるのは、求められた時にしか提案されないという距離感です。寄ってきて、何かお探しですか、と過度に声をかけられることは比較的少なく、レジもセルフで完結できる店舗が多い。

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