「失った乳房」はここまでキレイに再建できる 乳がんの手術と同時に再建することも

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なので、今「同時再建」というと、川崎さんのようなエキスパンダーからインプラント、またはお腹の組織を移植する方法が一般的です。乳頭は、胸の形ができてから3カ月以上おいて最後に行います。

――再建後の不便は?

川崎:なかったですね。傷も慣れるだけじゃなくて愛着もわくんですよ。「物語のあるおっぱいになってきたな」みたいな(笑)。

:エキスパンダーを入れずに全摘したままだと、ブラジャーがずれる、気のせいもあるのかもしれないですけど、バランスが悪くなって肩こりがひどくなったという方がいます。

今ではバーベルを上げられるほどに

川崎:手術直後は、切り傷が痛くて腕が上がらなかった。それなのに「太ると再発の可能性が高くなるから動いて、腕も動かして」と言われて「とんでもない!」みたいな(笑)。でも、2、3週間経つと全然大丈夫。今なんかバーベルを上げてますよ。

辻 直子(つじ なおこ)/セルポートクリニック横浜院長。形成外科専門医。1998年信州大学医学部卒業後、東京大学医学部付属病院形成外科に入局。福島県立医科大学付属病院形成外科などを経て、2006年杏林大学医学部付属病院形成外科助教を務めた後、2011年から現職。著書に『改訂新版 もっと願いをかなえる乳房再建』(撮影:尾形文繁)

:リハビリをがんばれる方は上がるようになるんですが、怖がって動かさないといつまでも違和感が残るようですね。再建後の不便な点としては、インプラントがあるためうつぶせ寝ができないとか、ワイヤー入りのブラジャーで寄せて上げることができないとか。デコルテに少し凹みが残って、胸が開いた服が気になるという方は多い。そのくらいです。

川崎:乳首は最後になるんですが、「なくてもいいかな」と思っていたんです。

:ない方は多いですね。

川崎:反対側の乳首を切って移植、乳輪は色素が濃い部分の皮膚を身体から探して移植するからまた2、3カ所切ることになる。それが一番安くて簡単なコース。「そこまでしてどうするの?」というのもあるじゃないですか。すでに、ジムの着替えやサウナでは乳首なしで出しっぱなしですし。

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