糖尿病1000万人時代!「糖質制限」を徹底せよ 「カロリー制限だけ」は時代遅れすぎる
今日11月14日は「世界糖尿病デー」である。9月に発表された厚生労働省の2016年の調査によれば、日本の糖尿病の有病者1000万人、予備群1000万人。合わせて2000万人の「国民病」ともいうべき状況になっている。糖尿病は静かに進行するものの、さまざまな「死の合併症」を招き、人工透析にもつながりかねない恐ろしい病気である。早急な治療、特に適切な食事療法が必要とされる。
この糖尿病の治療食としては、近年「糖質制限食」が急速に広まってきた。その一方で、いまだ「カロリー制限食」を指導する糖尿病専門医も多い。
糖質制限食の第一人者である江部康二氏は、カロリー制限はもはや時代遅れで、糖尿病患者には必ず糖質制限を指導すべきだと主張する。『江部康二の糖質制限革命』の著者でもある江部氏にその論拠を語っていただいた。
糖質制限食で血糖コントロールがよくなる
最初に、糖質制限食の糖尿病への効果について、現在までわかっている事実を整理します。糖質制限食はもともと糖尿病の治療食ですので効果があるのは当然ですが、その効果について、正しい知識を確認しましょう。
まず確かめておきたいのは、糖質制限食を始めると速やかに血糖コントロールが非常によくなることです。これは、血糖値を直接上昇させるのは糖質だけだという生理学的事実によります。血糖値を上昇させる糖質を摂取制限するのですから、食後高血糖を抑えられるのは当然です。
2型糖尿病の患者さんが糖質制限食を始めると、ほぼ全員が食後、空腹時共に血糖値が下がり始めます。食後血糖値は開始直後から下がり、1週間ほどで正常値になります。空腹時血糖値についても徐々に下がり、数週間で正常値になります。
ちなみに糖尿病には、主なものとして1型と2型とがあり、生活習慣病であるのは2型のほうです。ほとんどの糖尿病の方が2型です。
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