タレント千秋が「子育て後」を問いかけるワケ 高校生のママ「超ヒマなんですけど!」

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男女の差をなくすための制度はいっぱいできているけど、日本の女性たちがどれだけ自分を犠牲にして、家事や子育てをしてきたかっていうのはまだまだ大きな問題だと思います。

香港とかだと朝も夜も外食が多いみたいですし、アメリカだったらレディーファーストで、旦那さんが子どもの世話をしてくれるということもあるけど、日本ではずっと「女性が働くなら家事も両方やって当然」みたいな状態のまま。女の人が働くならパワーを200%にしなきゃいけなくて、それは全員がやれるわけじゃない。しかも子育てに専念していた人たちは、それが一段落しても就職は難しいわけです。

私は再婚して新しい家族をはじめから組み立てるという使命もあるし、リスタートでもあります。主人の周りの友達もできて、新しい考え方はすごい勉強になるし、新しい趣味もできたけど、それがなかったらもっと途方に暮れていたと思います。

娘が高校生になってから、このことを改めてインスタに投稿してみたら、すごく長いコメントもいっぱい来て、やっぱりみんなそう思っていたんだ、深刻なんだなって感じました。

次の目標は?

――コメントは100件以上付いている投稿もありますね。印象に残っているのは?

介護が始まっているという人もいたし、家族全員のお弁当を作っているから子育てが終わった気がしないという人も、自由時間のご褒美だよって言ってくれる人もいました。

まだ子どもが小さくてバタバタしているけど、忙しいのはいまだけなんだと思って頑張れるっていうコメントもありました。私が「超ヒマなんですけど!」って言ったら、中学生まであと何年ってカウントダウンもできるようになるし、将来そういう時間が来るとわかっていたら、きっと無我夢中な時期の過ごし方も違ってくると思うんです。

私は同じように思っている人がたくさんいるとわかって心強いし、中には資格を取り始めたとか、スポーツを始めたとか、前向きな人もたくさんいてヒントをもらいました。

――千秋さん自身はこの時間をどう過ごしていく予定ですか。

もともと集落や村のしきたりにまつわる昔の怖い話が好きなので、図書館で民俗学の本を片っ端から読んで、都市伝説なのか事実なのかを調べたり、ノートに書いたりしています。いろんな分野に興味が湧いて、大好きな映画『風と共に去りぬ』の時代背景にある奴隷制度とか南北戦争、ネイティブインディアンのことも知りたくなって、次はアメリカの歴史の棚を全部読みたいです。

読書は娘に絵本を読んだ以来なんですが、最近は人気の小説も読んでいます。自分でジャケ買いしても面白くないから(笑)、誰かに勧めてもらったものとか本屋さんが一押ししているものを読んでますね。映画も好きなので、デビューのときに始めた「年に100本観る」というのを再開しました。

子どものおかげでせっかく200%になったパワーを100に戻すのはもったいないから、私は半分を自分のために使おうと思っています。外見を磨く人もいるだろうし、私は磨いても変わらないので(笑)、知らないことを知りたい!

「子育てが一段落したママたち」に何かいいネーミングを付けて、月1回ぐらいみんなでいろいろ報告し合ったり、情報交換できるようにしたいなと思っています。

(聞き手/AERA dot.編集部・金城珠代)

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