タレント千秋が「子育て後」を問いかけるワケ 高校生のママ「超ヒマなんですけど!」
いまは時間があるのに連載は持っていません。何か連載のお仕事ありませんか?(笑)。バランスって取れないものですね。
――エネルギーが200%になったのは、何か理由があったんでしょうか。
仕事に目標ができたんです。ママになるってわかったときに雑誌とかを見ると、スタイルも顔もきれいで、料理が上手で、教育熱心で仕事もバリバリやっているような完璧な女性ばっかりだった。でも、絶対そういう人ばかりじゃないはずだから、私はみんなの憧れじゃなくて踏み台になるようなママになればいいと思ったんです。
バラエティー番組でふざけていて、「あの人、本当に子育てできるんだろうか?」って思われる私みたいな人が一生懸命やっていたら、「千秋ができるなら私もできる!」って思ってもらえるといいなと。
日本の女性って、1つの方向にしか評価されなくて、それができなきゃ普通以下、ダメな人みたいになっちゃうところがある。おこがましいんですけど、私がいろんな多様性があることを証明していこうと思ったんですね。
私はモデルさんみたいな外見じゃないし、料理が苦手だったけど80歳で良妻賢母になればいいって考えて、そういう声を発信するのが当時の目標でした。
「円満離婚」を定着させたかった理由
――確かに、新しい母親像でしたよね。
円満な離婚があるって見せたのも、その1つです。日本では離婚したら「お父さんは天国に行っちゃった」って教えたり、二度と会わないってことが多いけど、離婚を考えていたときにアメリカの友達から現地のことを聞いたんです。
向こうでは平日はステップファーザー(継父)、土日は実のお父さんと過ごすのも普通で、お父さん同士が互いの家に送り迎えするんですよね。そこには新しい奥さんとかほかの兄弟もいるんだけど、みんなが納得している。そういう子がクラスの半分ぐらいいるんですって。お父さんの顔も知らないとか、忘れちゃったっていうのじゃなくて、「今日はどっちのパパ?」「今日はこっち」って普通に言えるのって、いいなと思いました。
当時は、離婚後に一緒にディズニーランドに行ったりすると、すぐ「復縁か!?」ってニュースになったんだけど、全然そうじゃなくて。夫婦ではないけれど、娘の父と母としての役割はちゃんとやりたいと思っているんです。娘は離婚しても週1回は泊まりに行ってますよ。
そういうことを初めて聞くとみんなギョッとすると思うけど、何回も言うと慣れてくるし、この10年ちょっとで芸能人でもそういう人は増えてきましたよね。それに、悩んでいる人が「あ、あの手があった!」とか思ってくれたらいいなと思います。別に離婚を進めているわけじゃないけど、苦しくてずっと我慢しているぐらいだったら、次のステージに進んで、シングルでも子どもに対してちゃんとママができるよって伝えたい。