「離婚しても子に会いたい親」が抱える焦燥

わが子を「連れ去られた」側が感じていること

なぜ親が子どもを「連れ去る」のか(写真:プラナ / PIXTA)
ある日突然、妻が子どもを連れて家を出ていき、それ以来、子どもとは会えなくなってしまう父親がいる。なぜそのようなことが起こってしまうのか。連れ去った親はどのように感じているのか。もしそのようなことが起きたとき、どのように対処すべきなのか。子どもを連れ去られた父親、母親、それぞれのケースを紹介する。

生活費を払い続けているのに「娘と会えない」

「2年前、6歳の娘を妻に連れ去られてしまいました。彼女が自殺を図り、未遂で終わった後のことです。ママ友と“隠し携帯”でやり取りをして、ひそかに連れ去りの準備をしていたんです。連れ去るとわかってたら家に入れなかったのに」

50代の開業医であるAさんは2年前の出来事を語った。

「それ以来、娘は妻の実家で暮らしています。一緒にいるのは妻のほか、義父と義母です。学校には行っているようですが、私からの連れ去りを怖がるがあまり、通学にしろ、たまにある遠足にしろ、ひとりでは行かず、送り迎えをしてもらっているようです」

娘と暮らせなくなったその年、Aさんと奥さんは、双方の間で、離婚調停と面会交流調停を起こした。係争は今も続いており、面会交流と離婚のメドはいずれも立っていない。Aさんは毎月25万円もの婚姻費用(子だけでなく妻の生活費も負担する費用のこと)を支払い続けている。なのに彼は“まったく会うことも電話で話すこともできない”のだという。

「一緒に暮らしていた頃、娘はパパっ子で、連れ去られる前日だって一緒に寝ていたほどでした。それほど私に懐いていたというのに、今や“連れ去りが怖い。100万円くれたらパパに会ってもいい”などと主張するようになってしまいました。妻が私の悪口を娘に吹き込んでいるからです」

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