「親が先生役」をすると子どもは自立できない 自発的に勉強しない中学3年生の何が問題か

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では親の役割は何かということです。親の役割は人によってさまざまな考え方があり、一言で語ることは難しいですが、筆者は次のように考えています。

「子どもの自己肯定感を上げて、自立を促すこと」

そのためには次の2つのステップを行います。

初めのステップは、「親は先生をやるのではなく、子どものよさを見つけ、それを認め、言語化する」ということです。これによって、子どもは自分を肯定され、自信を持つようになります。

次に、子どもの自立を促します。そのためには、いきなり、自立させるのではなく、段階的に自立させて行きます。

親が関わるほど、子どもは自立しなくなる

山本さんの場合、本来は中学生の勉強について親は関わらないほうがいいのですが、これまで勉強にかなり関わってきてしまったため、いきなりなくすのではなく、段階的になくします。

例えば、英語だけは教えていくけれども、数学やその他の科目は自分でやるように促すだけにします。または、勉強のやり方を伝え、あとは自分でやらせていくなど、徐々に離していきます。そうしなければ、これまでの習慣からいきなり別のパターンに切り変えるとその反動で、子どもが大混乱する場合があるからです。

何度も言いますが、親は本来、勉強に事細かに関わらないほうがいいのです。親は先生ではないということを強く自覚する必要があるのですが、山本さんのケースは、これまで関わってきてしまったため、このように段階的になくすということを推奨しました。

「親が関われば関わるほど、子どもは自立しなくなる」

この原則をぜひ知っておいてください。とくに、学校の先生のような振る舞いをしていると、子どもは、学校でも先生がいて、家に帰ってきても先生がいて、一体、自分の親って何をする人?と疑問を持つかもしれません。

今のような親の足かせが子どもから外れると、子どもは自分で考え、行動するようになっていくものです。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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