今のアプローチを続けていると、高校に入ってからも、「うちの子は数学のベクトルの計算をよく間違える」とか言うようになります。
大学に行くと、「うちの子は必修科目の経済概論で点を落として留年するかもしれないので、どうしたらいいか?」となり、就職活動では、「うちの子、面接で受けが悪く、コミュニケーション能力を引き上げるにはどうしたらいいか?」となります。
まさかそんなことはないと思うかもしれませんが、本当にこのようになる可能性は十分に高いと思います。テーマが変わるだけで、パターンは変わらないものなのです。
さらに、親にとって驚くことが起こる場合があります。それは、事態が悪化していくと子どもは親の責任にするということです。
親とは、いったい何をする存在なのか?
親が子どものことを心配してこれまであれこれ苦労してきたというのに、子どもが失敗したときや、事がうまく運ばなくなると、子どもは「親の言うとおりやったのに失敗した」と言ったりします。この時になって初めて親はこれまでやってきたことを後悔することがあります。
親とは、いったい何をする存在なのか? 親の役割って何なのか? 子どもの自立とは何か?
この最も重要なことを理解して、実行しなければ、今のような悩みは一生続くことになりかねません。
ではどうすればいいのかということですが、それは単純です。「親は先生という役割を演じるのをやめること」です。
先生という意味は、学校の先生という意味です。つまり、指導のプロでもないのに、勉強についてあれこれ細かく指導するのをやめるということです。
例えば、次のような例を考えるとわかりやすいと思います。車の運転免許を取って、パートナーとドライブに出かけたとき、自動車教習所の教官のようにパートナーから「ブレーキが遅い」「ウィンカーを早く出すように」「一時停止できていない」と言われたらどう感じるでしょうか。
教官でもないパートナーにあれこれ言われることに対して不快感を抱くことでしょう。パートナーはパートナーとしての役割があり、教官には教官としての役割があるのです。それを間違って、異なった立場を演じるとそこからイライラが生じて、やがて大きなトラブルに発展する可能性すらあります。
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