ヴィッセル神戸が目指す「アジアNo.1」への道 今季2度の監督交代、成績も低空飛行続くが

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6月30日の名古屋グランパス戦で勝利したJ1・ヴィッセル神戸。写真中央がイニエスタ(写真:SportsPressJP/アフロ)
スペインの名門サッカークラブ・FCバルセロナのようなサッカースタイルを目指し、改革を進めているJ1のヴィッセル神戸。親会社・楽天の積極的な投資もテコにアンドレス・イニエスタをはじめ海外有名選手を獲得、ヴィッセルへの注目度が増すとともにJリーグも大きく盛り上がった。
しかし、ヴィッセルは今シーズン序盤から連敗を喫し2度の監督交代に見舞われた。「バルサ化」を目指すプロジェクトはまだ始まったばかりだが、これからのクラブをどのように変革していくのか。元日本代表MFであり、強化責任者である三浦淳寛スポーツダイレクター(SD)に聞いた。(※独自スタイルの確立が目的のため、「バルサ化」という表現はふさわしくないが、一般の方々の間での認知度を考慮し、本原稿ではあえてこの言葉を用いることにしたい)

6月に今季3人目の指揮官が就任

Jリーグに激震が走ったのは4月17日のことだった。ヴィッセル神戸がフアン・マヌエル・リージョ監督との契約解除を発表したのだ。

リージョはスペインにおいて稀代の戦術家といわれ、現在最高の監督との呼び声高いジョゼップ・グアルディオラが師と仰ぐ人物である。スタイル確立を託して招聘したものの、その時点でのリーグ戦成績は3勝1分3敗の10位。就任からわずか半年での退任となった。

後任には2017年8月から約1年半指揮を執った吉田孝行氏が就いたものの、リーグ7連敗を喫したチームを立て直すことはできず、短期間で退任となった。三浦淳寛スポーツダイレクターが説明する。

「リージョ監督の契約解除については何度も話し合っての決断です。志半ばで苦渋の決断でしたが、合意するしかありませんでした。吉田監督は監督不在という緊急事態で、引き受けてくれる人がいない中での再登板となりました。

ヴィッセル愛の強い人間だから、このタイミングで引き受けてくれましたが、就任後、ケガ人が増えてしまい、指揮を執るに当たって厳しい状況になってしまいました。成績が振るわず、監督交代が短期間で起きてしまったことは、一緒に戦ってきた現場サイドのすべての人間に責任があります」

吉田監督の下で7試合を戦ったのちの6月8日、新たな指揮官が発表された。ドイツ人のトルステン・フィンク監督である。フィンク監督は現役時代、FCバイエルン・ミュンヘンでドイツ・ブンデスリーガ優勝や欧州チャンピオンズリーグ制覇を経験。現役引退後はハンブルガーSVやスイス、オーストリアのクラブで監督を歴任した人物だ。コーチ陣も刷新し、ヴィッセルはリスタートを切った。

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