デキる人は「仕事上の矛盾」をスルーしている

孫正義社長から学んだ"ゆるふわ"な仕事術

ただ、汗と涙を流しながら鍛えたことで、人よりも仕事を速く処理することができるようになりました。

ソフトバンクグループを退職した後は、ベンチャー企業の立ち上げに参加して上場に携わったり、投資事業やM&Aを経験し、現在はフリーの身で40以上のスタートアップ・ベンチャー企業の社外役員やアドバイザーを務めるなどしています。そんなさまざまな激務を乗り越えてきた中で、僕が得た、成果を出すコツは、大きく3つに集約されます。

それは、「捨てる」「手を抜く」「考えない」です。

下手の考え休むに似たり

ITツールで管理できたり、昔ながらの価値観のまま惰性で持っていたりするモノは、とにかく捨てる。自分の力で解決しようとせず、周囲やインターネットの力を借りながら手を抜く。トラブルが発生しないコミュニケーションを取り、意識高い系ワードに翻弄されて本質を見失わないために、ムダなことに頭を使わない。こういったことです。

かつての「整理して所有する」「何事も一生懸命に取り組む」「自分の頭で考える」ことが重視されていた時代は終わりました。今は「気合いと根性」よりも、「ゆるふわ」な状態で成果を出すことが求められる時代です。ムダな仕事は最速で終わらせて(もしくはしないで)、人間だからこそできるアイデア出し、人的マネジメント、密度の濃いコミュニケーションなどに時間や労力を使うべきです。

コミュニケーション、マネジメント、資料作成、情報収集など、無駄を省くべき要素はたくさんありますが、まず提案したいのが「思考」です。

思考は、手を抜かないと最も「ハマる」テーマです。

世の中には数え切れないほどの「思考術」コンテンツが存在しますが、残念ながら、いくらその手の情報を得ても思考力は上がりません。はっきり言いますが、凡人の頭でいくら考えても間違いますし、うんうんと考えていても時間のムダです。「下手の考え休むに似たり」ということわざがありますが、まさにそのとおりです。

僕たちは小さい頃から「約束は守りましょう」「筋道立てて説明しましょう」と教育され、社会人になると「ロジカルに説明せよ」と教わります。

そのため、勉強ができた人ほど、何事も理路整然としないと納得できずに、ひたすらきっちりと整理しようとすることに時間を費やしてしまいます。

しかし、仕事は「矛盾」することだらけです。上司からの指示なんて、気分によって変わったりしますから、矛盾の最たるものです。

そもそも、ビジネスでは戦場と同じく、刻一刻と状況が変化するものであり、昨日言ったことは「あ、やっぱ違うわ!」なんて朝令暮改は日常茶飯事です。

それに対して「ロジックが破綻している!」「昨日言ってたことと矛盾しているじゃんか!」などとイチイチ考えていたら、脳がいくらあっても足りないし、そもそも矛盾していることをロジカルに納得しようとすることが時間のムダです。

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