デキる人は「仕事上の矛盾」をスルーしている 孫正義社長から学んだ"ゆるふわ"な仕事術
まさしく脳の筋トレ、脳の加圧トレーニングみたいなものですね。そこで250ものビジネスアイデアを出し、学生時代に1億7000万円を稼いだ音声付きの多言語翻訳機を発明するわけです。
僕も30代に入ってからこのメソッドをしばらくやってみました。やってみると5分があっという間に過ぎるから驚きます。そして、肝心のビジネスアイデアはまったく思いつかない……。
ただ、本気で頭をフル回転させて5分間集中思考すると、何も思いつかなくても、明らかに脳が活動して「筋トレ」をしている感じがしてきます。
このトレーニングを習慣化させるのは相当難しいとは思いますが、手抜きスタイルとして、まずは1週間続けてみてください。1週間だけでも、自分の思考のクセや思考の狭さなどに気づけることでしょう。
新しいものに触れて脳を刺激する
もうひとつ重要なのは、子どもの頃のように「つねに新しいものに触れる」という脳への刺激を、無理やりにでも作ることです。
僕の場合、スピードの速いITベンチャー業界にしばらく身をおいていましたが、高速で類似の仕事パターンを学習していってしまい、脳を使う機会がどんどん減りました。「自分の領域ではない、新しい分野にも足を突っ込んでおかないとヤバイ」という感覚がありました。
そこで、知り合いに頼んで、先端科学系のプロジェクトの経営の手伝いをすることにしました。遺伝子解析の「アメリエフ」というベンチャー企業です。
僕は私立文系だったので、飛び交う専門用語の98%は理解できませんでした。まさに僕にとって「初めて」の分野だったといえます。これは脳筋トレのチャンスです。
新しい分野に触れることは副次的な効果も見込めます。例えば、科学雑誌などを読むうちに、知りたい分野の「遺伝子」以外にもサイエンスの最先端ネタに出合えるのです。そして、「量子力学」「宇宙物理学」など普通に生きていたら触れるはずのなかった知識が脳の中に入ると、小さな化学変化が起こります。
一見、量子力学とビジネスなんて全然関係ないと思いがちですが、応用が利く実感をいくつか見つけることができました。「あっ、ビジネス上で起きているこの事象って、この物理の法則に似てる!」という自分なりの面白い発見ができたりしたのです。
また、脳に「初めて」を注入する方法として、自分と「違う世代」と無理やり付き合うのもおすすめです。
人はついつい居心地のいい環境を好み、気の合う仲間、話の通じる同世代とつるみたくなるもの。それはそれで生物の防衛本能として正しい行為だと思いますが、たまには”無理やりにでも”、ひと回り(12歳)以上違う世代と付き合ってみることは、いい脳筋トレになると思います。
考えても意味のない無駄な思考を省く、一方で脳の筋肉を意識的に鍛える。これらを実践することで、AIやテクノロジーが猛スピードで発展している現代を生きるうえで本当に必要な、人間にしかできない仕事力を養えるはずです。
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