いちいち「批判的な上司」がもたらす甚大な弊害

「操作的マネジメント」では部下は成長しない

多くの仕事がAIで代替されるようになっても、人間でなければできない高度なマネジメントがある(写真:Anesthesia/PIXTA)  
時代の変わり目で新しい働き方、生き方を語ってきた田坂広志氏は、著書『能力を磨く AI時代に活躍する人材「3つの能力」』において、高度知識社会におけるリーダーが磨くべき能力として、「職業的能力」「対人的能力」「組織的能力」の3つを挙げている。
ここでは、そのうち「組織的能力」を取り上げ、とくに「マネジメント」に起こる変化と、そこで重要になる「聞き届け」の技法について解説する。

マネジメント業務の大半も、AIが行うようになる

まず、「組織的能力」とは何か。それは、1つの組織やチームを、リーダーとして率い、マネジメントしていく能力である。

そして、この「マネジメント」の仕事については、AI時代になっても人間に残される重要な仕事であると、世界中の多くの専門家が指摘している。

例えば、世界のトップリーダーが集まるダボス会議においても、今後もAIに置き換わらない人間だけの仕事として、「クリエイティビティー」「ホスピタリティー」「マネジメント」という3つの能力が求められる仕事を挙げている。

しかし、実は、この「マネジメント」の仕事についても、今後、AIがその多くを代替していく。なぜなら、昔から「マネジメント」という言葉は、日本語で「経営管理」と訳されてきたように、その多くが「管理業務」だからである。

そして、これからの時代、この「管理業務」の大半はAIが担うことになっていく。いや、すでにその多くの仕事がAIに置き換わりつつある。

まず、「資材管理」や「予算管理」、「工程管理」や「プロジェクト管理」などは、最適な在庫量、最小のコスト、最大の利益、最短の工程、最適の手順などを、論理的にかつ瞬時に判断できるという点で、AIが最も得意とする分野であり、すでにAIの導入はさまざまな形で進んでいる。

また、最適な人材配置などを判断する「人事管理」の仕事も、AIが得意な分野であるが、さらに現在では、社員のモチベーションなどを評価する高度な人事管理の仕事さえ、AIが代替し始めている。

例えば、多くの社員を抱えるある企業では、一人ひとりの社員の性格診断や勤務状況、上司や部下、同僚からの評価、仕事の成果などの情報をAIが分析し、それぞれの社員が退職を申し出てくる可能性を評価し、適切な対策に結びつけている。

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