「DQビルダーズ2」が図工嫌いでも楽しめる理由 明言したい「豆腐ハウスでもいいのだ」

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しかしビルダーズ2では、ストーリー上で冒険をする島と、主人公が自由にビルドをするための島、素材や新たな住民を探しに行く島という、島ごとに別々の役割が設定されており、ゲームを進めることで、それぞれの島を船で行き来できるようになっていく。また、ストーリーで訪れた島の住民たちを、主人公の島に移住させて、生活を共にすることもできる。

前作では、主人公が作る町は、ストーリーをクリアするための通過地点でしかなかった。ビルドはクリアのために必要な行為であり、フリービルドに手を出さなければ無視しても気にはならなかった。一方、ビルダーズ2では、ビルドがストーリー上、必然的なものとして組み込まれている。またストーリーをクリアした後も、住民たちが主人公の島にやってきて、町の人達との関係性は続く。

この「つながり」の存在が、前作と2との最も大きな違いである。そしてストーリーをクリアしたプレイヤーは、愛着のある町の人達のために、ビルドを楽しむように誘導されるのである。

この考え方は追加ダウンロードコンテンツ(DLC)の販売戦略からも明らかである。有料の追加DLCが第3弾まで発売されているが、いずれもビルドアイテム追加のコンテンツであり、追加シナリオは用意されていない。シナリオがチュートリアルというわけではないが、あくまでも最終的にビルドを楽しんでもらうための誘導として位置づけられているのだろう。

ゲームにつきまとう「罪悪感」

さて、最初に言ったように僕は図画工作が苦手である。もちろんビルダーズでも、家は四角く壁を作り、ドアを付けただけの「豆腐ハウス」である。それでもゲーム世界では「部屋」と認められるし、そこに必要な道具を設置すれば、住民たちはみんな喜んでくれる。

見た目としては屋根がないから雨が降れば家の中に入り込むし、いかにも粗製濫造だ。寝床も大きな広間で老若男女まとめて雑魚寝である。

システム上、そんな家でもとくに住民たちが不満を主張することはない。家具が雨に濡れてダメになることもないし、仮に衣食住が足りない状態だとしても、不平不満から島を出ていくようなことすらない。みんな楽しく暮らしてくれる。

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