「DQビルダーズ2」が図工嫌いでも楽しめる理由 明言したい「豆腐ハウスでもいいのだ」

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しかし、これまで一緒に戦ってきた町の住民たちは主人公の仲間である。そんな仲間たちに与えるのが、雨風吹き込む豆腐ハウスでいいのだろうか? 自分の島の写真を投稿しているユーザーたちのように、ちゃんと屋根のついた、立派で素敵な家を作ってあげるべきではないかという罪悪感がつきまとってしまう。

『ドラゴンクエストビルダーズ2』公式ツイッター(Twitter:https://twitter.com/DQ_BUILDERS2/status/1125290335586775041

それでも、僕はハッキリと明言したい。「豆腐ハウスでもいいのだ」と。子どもの頃に楽しんでいたおままごとやお店屋さんごっこ。商品が石や葉っぱでも、僕たちはそこに実際の家やお店を想像することができた。

ビルダーズ2の世界は、あくまでも僕たちの想像の中にあり、僕たちが豆腐ハウスを「立派な家」だと思えば、それは立派な家なのである。あくまでも見た目はフレーバーにすぎないと割り切ればいいのである。

どうしても満足できなくなったなら、きれいな家を建ててみればいい。ビルダーズ2には、たとえプレイヤーに美的センスがなくとも、仲間たちにすてきな家を与える手段が残されている。

オンライン要素として、ほかの人の島へ行くことができることは紹介したが、ほかの人の島に行って「この建物、いいなぁ。こんなセンスのある家、自分の島にも建ててみたいなぁ」と思った建物を「設計図」というアイテムに変えて、自分の島に持ち帰ることができる。

設計図を自分の島に広げれば、自分で建物を作らなくても、住民たちが設計図どおりに誰かが作ったきれいな建物をビルドしてくれるという寸法だ。ただし、ビルドに必要な材料は自力で集める必要があるが。

そうして他人のビルドをコピーしながら、本当に創作意欲が湧けば、自分で家をデザインできる。ほかの見知らぬプレイヤーとのつながりが、ドラゴンクエストビルダーズ2のシステムに組み込まれているのである。

ドラゴンクエストビルダーズ2が発売されてから半年。しかし、コンテンツとしては第3段のDLCが5月30日に発売されたばかり。新たな素材の提供に、これからビルドはますます盛り上がる。

クリアしてからが本番だ

かつてのテレビゲームは、それをクリアしてしまえば終わるものであった。ゲームのコンテンツとしての寿命は短く、次から次へと発売される新作ゲームを購入してプレイすることが、多くのユーザーの遊び方であった。その当時には半年前のゲームなど、古臭く感じるものであった。

しかし今のゲームは、DLCなどの要素によって1つのゲームを長く遊ぶことが当たり前だ。実際に友達と一緒に遊ぶことはなくとも、オンライン要素などからゲーム体験を共有することで、ゲームの寿命は極めて長く伸びた。

ストーリーを終えた後にこそ、ビルド要素の本番が始まり、かつて一緒に戦った町の住人たちや、見知らぬプレイヤーとつながることができるドラゴンクエストビルダーズ2。コンテンツの寿命が伸びた現状に、程よくマッチしたビルドゲームであると言えよう。

赤木 智弘 フリーライター

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あかぎ ともひろ / Tomohiro Akagi

1975年栃木県生まれ。2007年にフリーターとして働きながら『論座』に「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」を執筆し、話題を呼ぶ。以後、貧困問題などをテーマに執筆。主な著書に『若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』などがある。

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