「フルグラ」ブームが映す健康食志向の変化 カルビーのシリアルはなぜ売れているのか
読者のみなさんは、朝ごはんに何を食べているだろうか?
朝からしっかりご飯とみそ汁、それに納豆なり焼き魚なりをつけた和食? それとも、トースターでこんがり焼いてバターをタップリつけたトーストに目玉焼きだろうか。ご飯かパンのいずれかだという人は多いだろうが、日本の家庭にはもう一つ、定番の朝食がある。コーンフレークをはじめとする「シリアル食品」だ。
筆者は40歳。東洋経済オンラインの読者に多い30~40代の人は、子供番組の間に挟まれた子供の朝食需要を見込んだ、コーンフレークやチョコスナック系のテレビCMに慣れ親しんだはずだ。シリアルは母親がつくるごく普通の朝食と違い、なんとなくスマートでアメリカンなイメージがあった。
おやつ感覚だったシリアル、「フルグラ」の登場で一変
そんなあこがれを持っていた筆者は、社会人になって1人暮らしを始めてすぐに、朝食のローテーションとしてシリアルを食べ始めた。しかしどうも、砂糖やチョコで味付けされたシリアルは、朝食というよりはおやつの印象が強く、長くは続かなかった。
それから長い時間が経ち、またシリアルを食べ始めるようになったのが2013年だった。カルビーの「フルグラ」にハマったのだ。しっかりした甘さがあるのに、牛乳をかけて食べてもおやつ感覚にはならず、またザクザクとした食感も良い。ちょっといい感じの食事として、しっくり来た。それ以降、シリアル食品が朝食のローテーションに戻ってきた。
フルグラにハマっているのは何も筆者だけではなく、世の中でもブームが起きている。シリアル、主にグラノーラの市場はここ4年ほどで一気に大きくなっているという。それを牽引しているのが「フルグラ」だ。
カルビーの担当者によれば、フルグラの売上高は2011年度に37億円だったが、2014年度には143億円と3倍に増大。2015年度は前年度比約4割増となる200億円を見込んでいるという。カルビーは今年4月にはフルグラの生産ラインを増設する予定で、2016年度以降も成長が続きそうだ。
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