「プライドが高い人」を傷つけずに説得する方法 積極的に「相手の言い分」を引用していこう

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ただし、ここが面倒なのですが、相手の理解できない言葉は地雷です。あまり理解できない言葉を使いすぎると、相手はマウンティングされたと思い、またムキになって訳のわからないことを言い始めます。

相手がどんな言葉を知っているのか知識レベルが読めない場合は、相手が使っている言葉を後追いで使うようにすればいいでしょう。

「正しさ」よりも「最短距離」を

次に、話の進め方の話。「バカ」相手の話は「正しさ」よりも「最短距離」を選ぶことが大切です。どういうことか?

ここで高速で復習。

第4回の「ロゴス」についての解説でも書きましたが、厳密な意味で「正しい話」とは、「根拠」と「結論」が「論理」でつながっている話のことでした。

例えば、あるお菓子会社に勤めている人が、高タンパク質食ブームに乗って、自社開発のプロテインバーを発売する企画を立てたとします。それを上司に向けて、本当の意味で「正しく」説得するなら、次の3つの手順が必要。これが基本の形です。

1、根拠:「高タンパク質食が流行っている」というデータを見せる
2、論理:「今回のプロテインバーが、流行の高タンパク質食に当てはまる」ことを説明する
3、結論:「今回のプロテインバーも売れる」と結論づける

まともな相手とガチで議論やプレゼンをするときには、最低でもこの3つのステップがそろっていなければ、すぐに聞き手からロジックの不備をツッコまれて終わりでしょう。

しかし、今回は別。相手は「バカ」なのです。

これでは「バカ」には長い。彼らは自分が理解できない話を聞くと、理解できなかったことを隠そうと必死になって(要は、プライドを守るために)、訳のわからないことを言い始めます。ではどうするのか?

そこで、思い切って、真ん中の「論理」のステップは省略しましょう。つまり、「根拠」を示したら、そこから直接「結論」を断言するのです。

例で言えば、「高タンパク質食が流行っている」というデータをいくつか見せたら、「これらのデータを見ても、今回のプロテインバーは売れるはずです」といきなり断言してしまう。

ほかに何も言う必要はありません。

厳密さは犠牲にしてでも、「最短距離」を行くのです。

「バカ」相手の説得で必要なのは、わかりやすい「根拠」(数字、図、表、画像、動画など)と、力強く断言された「結論」。それだけです。

そうすれば、相手は頭を使わずに直感的に理解ができますし、納得もしやすい。相手のプライドを傷つけるリスクも大幅に減少します。

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