「プライドが高い人」を傷つけずに説得する方法

積極的に「相手の言い分」を引用していこう

話の通じない「バカ」と言われる人たちを説得し動かしていくには、どのように話を進めていけばいいのでしょうか?(写真:anzphoto_Inc,/PIXTA)
古典や名著、哲学を題材にとり、独自の視点で執筆活動を続ける高橋健太郎氏による連載「欧米エリートが使っている人類最強の伝える技術」。エンターテインメントコンテンツのポータルサイト「アルファポリス」とのコラボにより一部をお届けする

「バカ」は相手にするだけムダ?

最近では、「相手がバカだから話が通じない」とか「バカに足を引っ張られる」とか「バカ」の周りにいる弊害を嘆く声が結構あります。

こちらのプレゼンを聞いて、そのテーマについて何も知らないくせに全否定をしてくる「バカ」、こちらが筋道立てて話をしているのに、「そもそもさあ」などと言いながら何の関係もない話を持ち出してくる「バカ」、一言では説明できないことについて「一言で言えよ」とバカの一つ覚えのように言ってくる「バカ」、などなど。

例を挙げれば限りがありませんが、ともかく話の通じない「バカ」と言われる人は、確かにいます。

アルファポリスビジネス(運営:アルファポリス)の提供記事です

今の風潮として、「そういう人は相手にしないに限る」と言われがちですが、実際問題そうもいかないものです。そうした人たちとも付き合い、話し合い、動かしていかなければいけないのがわれわれの現実でしょう。

では、いわゆるバカと言われる人たちをどのように説得し動かすべきなのか?

今回はギリシャ・ローマ式弁論術を、ヒントにそうした「バカ」の動かし方を見ていこうと思います。

「弁論術」という技術はそもそも、ある意味ではバカと言われる人たちを相手にすることを前提としたものです。その証拠に、アリストテレスも、

「弁論術の仕事は、……長大な議論を見通したり迂遠(うえん)な推論を辿ったりする能力を具(そな)えていない、そのような聴衆のもとでなされる」(『弁論術』第一巻第二章・堀尾耕一訳)

とハッキリ書いています。

つまり、相手の知識や能力に期待ができないところでも、なおかつ説得できてこそ弁論術なのです。その意味では「バカ」を説得できてこそ一人前といえます。

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