
トランプ関税ショックで大荒れとなった4月の日本株相場。ただ全体相場が軟調なときこそ、伸びる銘柄を探す好機でもあります。そこで役立てたいのが『会社四季報』です。今回、“伝説のファンドマネジャー”清原達郎氏が3月発売の「会社四季報春号」をどのように読んだかを改めて解説。建設から食品、不動産まで計23セクターの詳細な分析を5回に分けてお届けします。個人投資家の銘柄選びの心強いヒントになるはずです。
第2回は化学、鉄鋼・電線・紙パルプ、医薬品セクターの解説をお届けします。
※清原氏の過去の咽頭がん手術の影響により、文面のやり取りによる取材を2025年4月に実施しました※本記事は「会社四季報オンライン」でも有料会員向けに配信しています
化学セクター
素材セクターは工場が大きく設備投資の額も大きいので、バランスシート(貸借対照表)には留意が必要です。工場建て替えのときや工場を新設するときに大きく借金を増やすことが多いのです。
「四季報春号」で4000番台の化学セクターを見ると、いきなり有利子負債÷純利益が危険水準の大型2銘柄が目に飛び込んできます。レゾナック・ホールディングスと住友化学です。前者の指標は38倍、後者は48倍です。
レゾナックは日立化成を信じがたい高値で買収したため、こうなりました。決定を下した経営者のレベルの低さにはあきれるばかりです。逆にこのディールをまとめ上げたみずほのバンカーは「あっぱれ」です。高値での買収なら借金も増え、受け取る金利も増えますから。まさに「顧客を生かさず殺さず」に、フィーや金利をかすめ取るビジネスの手本です。
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