日本電産はボッシュのようなメーカーになる 永守社長に聞く、日本電産の生きる道(下)
上下動を繰り返し、売上高1兆円を狙う
――2016年3月期に売上高1兆2000億円という目標は射程にとらえたようですね。
まあそうだ。ただ、車載事業の2016年3月期の売上高目標3000億円に到達するためには、足元の受注残から考えると500億~700億円程度が不足する。だから、2015年3月期中に1~2社は買わなければならないだろう。
――売上高1兆円の大台を超えた後の目標は。
大台を超えるときの壁が非常に厚い。当社も2016年3月期に売上高1兆円を超えることを目標にしているが、それが大きな節目となる。
本来はもう少し早く到達する予定だったが、リーマンショックや円高、タイの洪水などの外的要因が重なって、2回くらい登頂に失敗している。しかし、山登りでも、アルプスなどの高山に登る時には、体を低酸素に慣らすためにいったん8合目まで登ってから6合目に降りるなど、アップダウンを繰り返す。それと同じように当社も2016年3月期に再登頂を狙う。
1兆円に到達した後は、これまで買ってきた会社が伸びる。当社はビジネスポートフォリオを転換しているが、いま伸ばしている車載や家電・商業・産業用のマーケット規模は、パソコンやデジカメといったIT関連のマーケットと比べるとケタ違いに大きい。
自分の規模が大きくなれば、買う会社も大きくなる。売上高が1兆円を超えてくれば、自分の体力に見合った1000億円、2000億円といった規模の会社を買うことになる。売上高が1兆円から2兆円に行くのは比較的、早く到達できるだろう。
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