電子部品業界がおびえる、苦い記憶の再来

絶好調のアルプス電気が下半期を慎重視するワケ

iPhoneをはじめとしたスマートフォン向けの需要増で、電子部品業界は活況に沸く

スマートフォン向けの受注増と円安効果で、上半期業績の上方修正が相次ぐ電子部品業界。だがその一方で、かつての苦い記憶が再び業界を襲うのではないか、という警戒感も強まっている。

「(スマホ市場は)世界大手2社に加えて、中国メーカーも増えてきている。12月以降、供給過剰感が出て、調整が入ると見ている」。電子部品メーカー大手、アルプス電気の米谷信彦専務は10月31日、2013年度上半期(4~9月期)の決算説明会で、目下の不安を口にした。

同社の今年度上半期は、売上高3282億円(前年同期比24.1%増)、営業利益111億円(同292.8%増)と大幅な増収増益だった。カメラアクチュエーターなどスマホ向け部品が大きく伸びたことに加え、期初の為替前提(1ドル=90円、1ユーロ=117円)よりも円安で推移したことから、従来計画に対しても売上高で422億円、営業利益で66億円上回った。

下半期の営業利益を下方修正

だが、同時に上方修正を発表した通期の業績見通しは、売上高6480億円(前期比18.6%増)、営業利益240億円(前期比250.3%増)と、それぞれ従来計画に対して480億円、50億円の上乗せにとどまった。

上半期の営業利益が従来計画を66億円上回ったにもかかわらず、通期見通しは50億円しか上乗せしなかったということは、下半期(2013年10月~2014年3月)の営業利益を従来の計画値よりも16億円引き下げたということだ。これは、会社側がそれだけ下半期を慎重に見ていることを意味する。

次ページ為替影響を除くと、減額幅はさらに広がる
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