電子部品業界がおびえる、苦い記憶の再来 絶好調のアルプス電気が下半期を慎重視するワケ
これをさらに詳細に分析すると、アルプス電気が下半期の先行きを厳しく見ている様子が浮かび上がる。
今回、アルプス電気は下半期の為替水準を1ドル=95円、1ユーロ=125円に見直した。同社は海外での売上比率が高いため、為替が1円円安に振れると、対ドルで3.6億円、対ユーロで0.6億円、営業利益にプラスとなる。つまり、為替前提の見直しだけで23億円ほど営業利益が押し上げられた格好だ。したがって、為替影響を除くと、下半期の営業利益は従来計画よりも39億円下方修正したことになる。
その理由は、米谷専務が口にした「スマホ市場の調整」を織り込んだからにほかならない。
電子部品業界がおびえる“あの記憶”
電子部品メーカーには苦い記憶がある。今年初め、アップルが突然、iPhone5の大幅減産に踏み切った。単一モデルとしての生産量が群を抜いて多かった同機種の減産によって、関連部品の売り上げが落ち込み、電子部品各社の業績に打撃を与えた。これが、いわゆる「アップル・ショック」だ。
「スマホ向けは特にクリスマス商戦後に大きく受注が変動するため、先行きがまったく読めない」。スマホ向けに強みを持つコネクター専業の電子部品メーカー、ヒロセ電機の串田榮副会長も、こう漏らす。
電子部品メーカーにとって、今やスマホ関連部品は業績の動向を左右する生命線。しかし、いつまで足元の活況が続くのかは極めて不透明だ。部品メーカーは、スマホ市場の動向にこれまで以上に敏感になっている。
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